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日本好きなオーストラリア人と、そうでないオーストラリア人

By SCP編集部 in オーストラリア基本情報

近年、オーストラリアはヨーロッパ(欧)、アメリカ(米)に続く重要なインバウンドターゲットの国として関心を集めています。これは、2008年以降着実に増え続け、2017年に約50万人とまでなった訪日オーストラリア人の数からもうかがえます。

オーストラリアのインバウンドデータについてはこちら!
訪日オーストラリア人観光客のインバウンドデータまとめ

 

また、オーストラリア人の日本への注目は、「訪日」だけにとどまりません。

例えば、以下をご覧ください。

オーストラリア国内での日本関連イベントの増加や、オーストラリアのレシピサイトで健康食として日本食が紹介され、寿司やラーメン以外の日本食への関心の高まりを見ても、日本に対する興味のレベルが上昇していることがわかります。

このようにオーストラリアから日本への注目が集まっている今こそが、日本に関するさらなる情報の拡散や文化の普及にターゲットを定め、訪日プロモーションに取り組む絶好のタイミングだといえるのです。

それでは、日本好きのオーストラリア人は日本のどのような点を好んでいるのでしょうか。一方で、日本が好きではないオーストラリア人は、日本に対してどのように思っているのでしょうか。

双方のオーストラリア人のメンタリティを理解することが、オーストラリア市場における効果的なターゲット設定の第一歩となります。

日本好きのオーストラリア人

日本人の性質が好き

写真参照元: Russell Kord/Alamy

BBC(英国放送協会)は、訪日したオーストラリア人が印象に残った日本での出来事を次のように紹介しています。

  • 風邪気味なので相手に移さないようにマスクをつける
  • 店の店員がお釣りを渡すときにもう片方の手を添える
  • タクシーのドアが自動で開く
  • トイレの清掃員が清掃のために利用者を待たせていることを謝る

このような礼儀正しさ気遣いは、日本にいれば日常のことですが、相手を尊重したうえでお互いにフレンドリーに接するという国民性のオーストラリア人にとっては新鮮に映る習慣のようです。また、マナーやルールをよく守る親切であるといった姿勢も好まれる日本人の性質として挙げられます。

オーストラリア人の国民性についてはこちら!
オーストラリア人の国民性とは? 特徴と気質まとめ

参照元:
http://www.bbc.com/travel/story/20160415-the-worlds-most-polite-country
https://www.news.com.au/travel/travel-advice/travellers-stories/japan-a-land-of-unnerving-politeness-nice-smells-and-absolute-trust/news-story/b994bf76f658c0a4251499c1c76b63e8

 

日本という場所が好き

訪日オーストラリア人が増加しているニュースは、近年、日豪のどちらでも数多く取り上げられています。では、特に日本のどのようなところが好まれているのでしょうか。

電通が2015年に調査したジャパンブランド調査 2015によると、オーストラリア人が日本でやりたいことは以下の通りでした。

  1. 日本食を食べる
  2. 自然・景勝地観光
  3. 史跡・歴史的建造物観光

参照:電通 ジャパンブランド調査 2015

 

自然が豊富! というイメージが強いオーストラリア。週末にはビーチや公園でゆったりとくつろぐ人々をよく見かけます。そんな自然とのふれあいが習慣化しているオーストラリア人にとって、日本の自然や景勝地の特徴は、それらを楽しむと同時に日本文化との関わりがあることです。

例えば、訪日オーストラリア人に大好評のスキー旅行は、日本のスキー場の雪質が素晴らしいことに加え、スキーを楽しんだあとに伝統的な雰囲気に満ちあふれた日本の旅館に泊まり、雪景色を見ながら温泉を楽しめるという点で人気を博しています。

このように、伝統文化と自然、そしてスポーツなどのアクティビティが融合された体験を満喫できることが、日本を観光するオーストラリア人にとって大きな魅力となり、日本好きが増える大きな要因となっているのです。

参照元:https://www.news.com.au/travel/world-travel/asia/is-japan-the-new-bali-for-aussie-travellers/news-story/d8f493bcdde040e1c7c7e016b1a15ff2

 

日本食が好き

日本料理が好き

オーストラリアでは以前から日本食は知られていましたが、その印象のほとんどが寿司ラーメンといったものでした。

しかし、近年ではその関心の幅が広がり、日本料理の多様性栄養バランスに優れたクオリティを全面に押し出した日本食レストランがオーストラリアで増えています。

また、日本料理を作るための調理器具や料理を盛りつける伝統的な陶器までにもその興味が広がりつつあり、オーストラリア人の日本好きをうかがい知ることができます。

参照元:
https://www.sbs.com.au/food/article/2014/08/24/trend-slowly-turning-japanese
https://www.afr.com/brand/australias-top-restaurants/australias-top-restaurants-why-we-love-japanese-food-and-restaurants-20180419-h0yzao

 

日本酒が好き

写真参照元:https://travel.nine.com.au/2017/09/22/09/37/sake-boom-australia

オーストラリアは日本と比べてアルコール消費量の多い国です。もともと日本のビールはオーストラリアでも人気がありましたが、日本料理への関心が高まるにつれ、日本酒がオーストラリアで大きな注目を集めるようになりました。

オーストラリアのニュースなどでも、日本酒はもはやグローバルな飲み物であると表現され、ここ数年、オーストラリアにある日本酒の醸造所が何度も取り上げられています。

日本酒はその純度と米、水、麹、酵母といった限られた成分で作られていることが特徴です。しかし、今注目されているのは、その味や製造過程だけではなく、日本酒の日本料理や日本人との関係性なのです。

日本人の生活の中で料理と共に親しまれてきた日本酒は、その歴史的な背景も、オーストラリア人にとって日本の面白みを深く感じさせる要素となっています。

参照元:
https://travel.nine.com.au/2017/09/22/09/37/sake-boom-australia
https://www.bbc.com/news/uk-scotland-scotland-business-26766604
https://www.australiaunlimited.com/food/australias-sake-success

 

また、オーストラリアではここ数年、日本酒の専門店が続々とオープンし、店頭やオンラインで多様な日本酒が購入できます。さらに「酒ソムリエ」という資格取得に向けた講義を開催している店舗もあり、食を通して日本好きになるケースも増えているようです。

写真参照元:https://www.afr.com/lifestyle/australias-new-love-affair-with-japanese-food-20170609-gwo8fi

日本酒が訪日時だけの楽しみから日常生活にも取り入れられている動きは、オーストラリア人の日本好きを象徴する一例でもあります。

 

健康食が好き

日本人はオーストラリア人よりも一般的に肥満度が低いとされ、また長生きでもあることから、和食は健康食としても多くの関心が寄せられています。

また、オーストラリアではベジタリアンをターゲットにしたメニューがラインアップする飲食店も珍しくありません。日本よりもベジタリアンの需要が大きい証でもあります。こうした事情からも、豆腐や野菜を使った日本食のレシピがオーストラリアのレシピサイトで多数取り扱われています。

野菜中心のメニューが豊富な日本食は、オーストラリア人の日本好きをあと押ししているといっても過言ではないでしょう。

さらに、オーストラリアのニュースサイトでは、日本の学校給食の制度の中にもその食生活や習慣が大きく反映されていると紹介しています。これは日本食が単なる外国の食文化ではなく、オーストラリア人の日常生活に取り入れたい食のスタイルとして、一般化され始めていることの現われでしょう。

参照元:https://www.sbs.com.au/topics/life/health/article/2017/03/30/want-eat-healthy-follow-example-japanese-child

 

日本文化が好き

日本語が好き

近年、オーストラリアでは日本語学習者数が増加傾向にあります。特に2012年から2015年にかけては、その数が30%もアップ。これは、オーストラリアで外国語教育に関するカリキュラムが制定された際(2014年)、日本との経済的な関係と地理的な理由から、日本語を導入した教育機関が多数あったことが主な理由です。

2012年ー2015年 日本語学習者が増加した国・地域の割合

 

また、人口10万人あたりに対する日本語学習者数の割合においても、オーストラリアは世界の中でトップに位置しています。

 

参照元:海外の日本語教育の現状 2015年度日本語教育機関調査

 

そして現在、日本語はオーストラリアで最も学ばれている外国語にランクされています。このことからもオーストラリア人の日本好きが感じられます。

このような日本語学習者数の急速な増加に伴い、現在、オーストラリアでは有能な日本語教師や教材の供給が求められています。

参照元:http://www.aare.edu.au/blog/?p=859

 

コスプレが好き

マンガ・アニメの普及とともに、オーストラリアではコスプレ(漫画やアニメ、ゲームなどのキャラクターに扮するコスチュームプレイが語源)の人気が沸騰しています。数年前から「コスプレ」という言葉自体は広まっていましたが、ここ1〜2年で、コスプレを学ぶ場披露する場が急増するほど、その人気ぶりにも注目が集まっています。

2016年にはメルボルンにある服飾専門学校に日本の有名なコスプレイヤーが訪れ、コスプレに興味のある学生をターゲットに講義とワークショップを実施しました。同イベントには約150人の学生が集まり、ワークショップ(定員22名)のチケットは30分で売り切れてしまったそうです。

また、2017年にブリスベンで開催されたアニメとマンガのフェスティバルでは約4,000人がコスプレで来場し、話題を呼びました。画像参照元:http://www.ibtimes.com.au/madman-anime-festival-2017-anime-festival-special-guests-announced-1543894

このようにオーストラリアでのコスプレ熱は高まっていますが、その市場はまだまだ始まったばかり。日本好きのオーストラリア人にとって今後の展開が楽しみとされる分野です。

参照元:
https://www.brisbanetimes.com.au/national/queensland/international-anime-and-manga-fans-flock-to-brisbane-for-weekend-madman-festival-20170611-gwovbg.html
https://www.smh.com.au/entertainment/art-and-design/japanese-cosplay-artist-goldy-touches-down-in-melbourne-20160822-gqyak3.html
https://www.rmit.edu.au/news/all-news/2016/august/japanese-cosplay-expert-shares-skills-at-rmit

 

日本のトイレが好き

日本の高機能なトイレは世界的にも有名ですが、オーストラリアもその例外ではありません。

オーストラリア人は、日本へ旅行に行った際にトイレの温水洗浄機能つき便座に感銘を受け、自宅にこのようなトイレの設置を検討する人もいるそうです。

また、下記サイトの記事内では、配管方法や加熱式の便座、コントロールパネルなど、日本のトイレについての基本情報が説明され、日本好きの一面を見ることができます。

参照元:https://contentoptimization.com.au/washlet-australia-5-things-to-know-about-your-japanese-toilet-seat/

さらに、日本のトイレに設置されているコントロールパネルの6つのイラストが国際標準化機構(ISO)に承認されたことも、オーストラリアのニュースサイトで取り上げられました。

参照元:https://www.bbc.com/news/blogs-news-from-elsewhere-43224316

これらのトピックスから、日本で製造されるトイレの顧客ターゲットが、徐々に国内からオーストラリアを含む世界に広まってきていることがわかります。

 

日本の芸術が好き

日本芸術の伝統と現代性が好き

近年、オーストラリアでは日本の芸術への注目が高まり、アートがオーストラリア人の日本好きのひとつの要因として認知されています。

日本の芸術は、伝統的な古典芸術から現代アートに至るまで幅広く評価されており、ここ数年で多くのニュース記事に取り上げられました。

そのひとつに、Black Wavesがあります。これは、日本の創作チームによる音、映像、音楽などをターゲットにしたアニメーションアートワークであり、2017年初めにシドニーのニューサウスウェールズ州立美術館で展示されました。そのFacebookページに掲載されたBlack Wavesの動画は約16万の再生回数を記録しています。こうした日本の現代アートの複雑な芸術性と繊細さが人々を惹きつける力となっているようです。

The hypnotic Black Waves light installation by Japanese collective teamLab was a surprise hit at the Art Gallery of NSW ...画像参照元:https://www.afr.com/lifestyle/japan-tours-breakout-20170627-gwzsa5

このほかオーストラリア全国の美術館では、日本のデジタルイラストレーション作家による「ショーケース」といった現代アートや、日本の小説をアニメ化する際に使用された木版画「くちえ」の展示、さらに「葛飾北斎展」といった歴史的な芸術展など、日本関連のアート展がいくつも開催され、多岐に渡る日本の芸術に興味が注がれています。

画像参照元:https://www.afr.com/lifestyle/japan-tours-breakout-20170627-gwzsa5

さらに、2018年のシドニー・ビエンナーレ(シドニーで2年ごとに開催される展覧会)では、芸術監督として森美術館のチーフ・キュレーターである片岡真実氏が就任しました。シドニー・ビエンナーレでの日本人アーティストの起用は、21世紀に入ってから3人目。日本の感性が高く評価されてきている証でしょう。

参照元:
https://www.afr.com/lifestyle/japan-tours-breakout-20170627-gwzsa5
http://style.qantas.jp/area/nsw/walking/news/2018/02/2018-1.php

工芸品が好き

オーストラリアにある日本の食品や雑貨を扱うある専門店によると、これまで日本製包丁を買うのはシェフなどの専門家と決まっていたようですが、近年その客層が家庭の主婦にまで広がってきているそうです。これは、日本の工芸品や製品に関する知識が、特定の専門分野の人々だけではなく、一般のオーストラリア人にまで受け入れられ始めていることを示唆しています。

染物もその例のひとつです。

古風で独特の雰囲気を持ち味とした「絞り染め」は、日本でも再び脚光を浴びている伝統工芸ですが、海を越えたオーストラリアでも「絞り染め」専門店が登場し、同じように注目されています。オーストラリア人の日本好きを刺激する顕著な現象でしょう。

34c2d14852fd9eaa12431b7b8b3cf4a7421dc4ab画像参照元:https://tabi-labo.com/283417/overseasshibori

ここでの絞り染めは、日本のオリジナルとは少々テイストが異なり、現代風にアレンジされ、壁紙やブックカバーなどインテリアやファッションの一部として取り入れられています。さらに、「絞り染め」を体験できるワークショップも開催されており、手軽な「DIY」を楽しみたい人もターゲットとしています。

参照元:
https://www.afr.com/lifestyle/australias-new-love-affair-with-japanese-food-20170609-gwo8fi
https://www.goodfood.com.au/eat-out/just-open/chefs-armoury-to-open-sake-store-in-stanmore-20170616-gwsabe
https://tabi-labo.com/283417/overseasshibori

 

日本好きではないオーストラリア人

日本に対する良くない印象

上述のように、オーストラリアと日本における文化や習慣の違いは、多くのオーストラリア人の興味・関心を集め評判となっています。

その一方で、習慣や文化の違いがあまりにも大きいため、自分には合わないと感じるオーストラリア人もいます。また、必要以上にルールを決めることや恥ずかしがりで働きすぎといわれる日本人の気質や特徴が好ましく思われないこともあります。

このような日本に対してプラスのイメージを持っていないオーストラリア人をターゲットに、プロモーションすることは効果的ではありません。

 

日本に興味のないオーストラリア人

多民族国家として知られるオーストラリアでは、4人に1人がオーストラリア国外の出身であり、さらに2016年時点でアジア人は移民の40%にも登ります。(Australian Bureau of Statistics)

そのため、街中には日本、中国、インド、ベトナム、タイなど、アジアを中心とするさまざまな国の食文化やファッション、雑貨などがあふれています。日本のブランドも多数進出し人気を博していますが、多様な文化ゆえに、どこの国のものかということにあまり関心のないオーストラリア人も少なくないでしょう。

ただし、日本のものという認識や特徴を知らしめることで日本に興味を持ってもらう可能性は充分にあります。多文化に慣れてしまっているオーストラリア人をターゲットにし、興味を持たせる機会をつくることは容易ではありませんが…。

 

オーストラリアでのプロモーション

日本がオーストラリア人に向けてプロモーション活動を展開する際に、日本好きなオーストラリア人をターゲットにするとどのような利点があるのでしょうか。

  • 日本に対する理解や好ましい印象を持つため、興味を示す度合いが高い
  • 自ら取り入れた日本に対する知識により、新しく知る日本の文化や習慣を素早く理解する可能性が高い
  • 日本に興味を持ってもらうよう働きかける手間がかからない

以上の観点から、オーストラリアでのプロモーションする際には、日本好きなオーストラリア人をターゲットにすると効率よくアピールができると考えられます。また、オーストラリア人にとって日本のモノ・コトは以前より実用的で、身近になりつつあるということが近年の傾向となっているため、この状況を上手に利用することが得策でしょう。

 

この記事を書いた人:家田 阿実
東京都出身。大学の交換留学生として来豪し、言語学やアジア文化を専攻している。趣味は海外旅行、読書。オーストラリアではパン屋巡りにはまっている。

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