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訪日観光プロモーションに関する予算の設定方法

By SCP編集部 in オーストラリア基本情報

インバウンド事業の誘客のターゲットとして注目を集めているオーストラリアですが、オーストラリア人を対象とした商品やサービスを展開していく上では、日本国外でのプロモーションの展開が必要になります。

しかし、営業活動や販売管理費を考える中で、日本国内とオーストラリア人をターゲットに含めた場合とでは、広告予算の考え方や予算配分などで違いが生じてきます。

日本の観光庁の2018年度予算は、「訪日プロモーションの抜本改革と観光産業の基幹産業化」の予算が前年比+15%とされており、オーストラリアに向けた取り組みを強化することが発表されました。それにより訪日グローバルキャンペーンや市場に合わせたプロモーションを行うことで、日本の魅力などを推進し、プロモーションの高度化や戦略的誘客に繋げる予定となっています。
参照元:https://www.travelvoice.jp/20171222-102872

さらに、観光庁の訪日プロモーション関連事業では、国別戦略に基づくプロモーション方針も定まっています。
参照元:http://www.mlit.go.jp/common/001227890.pdf

このように国内と訪日事業のプロモーションを考えるにあたり、予算を分けて考慮することも重要だと言えます。そこで今回は、広告予算の立て方と、オーストラリアと日本国内とで異なる、予算の考え方をご紹介します。

 

各国別の予算設定をする際にオーストラリアに予算を多く設定すべき理由

限られた予算の中で、効果的に商品やサービスのプロモーションを行うためには、的確にターゲットを絞り、最適なプロモーションを行っていくことが重要になります。

観光庁が発表した『訪日外国人消費動向調査』(2018年1-3月期速報値)の国籍別での「訪日外国人1人当たりの旅行支出」では、オーストラリアは25万円を超え、中国を抑えてトップでした。

また宿泊費、娯楽などのサービス費の面でも、支出額が最も高いという結果でした。

2017年による調査では、オーストラリア人の滞在日数は7日から20日間の間で70%を超えるほどの長期滞在の傾向にあります。
参照元:http://www.mlit.go.jp/common/001231838.pdf
参照元:http://www.mlit.go.jp/common/001179486.pdf

また、2017年のデータによると、オーストラリアの総人口が約2,470万人に対して約912万人(3人に1人)が海外に旅行に行きます。同年のオーストラリア人の訪日観光客数は約50万人でした。

訪日オーストラリア人観光客のインバウンドデータ詳細情報
https://www.scpromo.com.au/inbound-outbound-data/968

滞在期間が長く、旅行中の支出金額が多いオーストラリア人をターゲットに絞り、プロモーション予算を多く設定することで大きな結果を期待することができます。

 

予算の立て方

決められた予算の中でプロモーションを行う場合

プロモーションの予算を設定するときに、社内の決められた全体予算の中で考える場合にはいくつか方法ありますが、ここでは代表的な3つを挙げます。支払可能額法、売上高比較法、競争者対抗法です。

 

支払可能額法 貸借対照表や損益分岐点の分析によってプロモーションに支払える金額を上限とする設定方法です。
あらかじめプロモーションにいくら掛けるかを決定し、その額を超えないよう調節しながらプロモーションを行います。
売上高比率法 過去の売上高や利益高、あるいは将来の見込み売上高のある一定の割合をプロモーション費用として決定する方法です。
企業活動の内容を集約的に表しているのが売上高であるため、事業計画や売上計画を先決条件とし、過去の経営実績を活かしやすい事から利用しやすいとされています。
競争者対抗法 業界の競合他社または先導的企業のプロモーション費用や売上高比率などを参考にして設定するやり方です。
これには自社とは必ずしも同じではないマーケティング戦略の競合他社のプロモーション投資額を参照にするという問題点はあるものの、広告の効果は、競合相手との相対的な投資額や量で決まるという現実的な面での評価もあるのがこの方法です。

目標数値に合わせた予算設定をする場合

一方で、予算を前提としてプロモーション戦略を考えるのではなく、掲げた目標に合わせた予算を設定する場合もあります。

目標基準法は、市場シェアなどのプロモーション目標を達成するための費用を算出し、それに必要な広告費の支出の細目を見積もって総額を算定する方法です。手元にあるデータや類似品のデータから仮説を立てて広告費を設定します。

目標基準法の利点は、支出額、露出度、試用率、固定客数などの関係を明確に表せることです。それらの数値から、ブランディング、売り上げ、認知度を上げるなどの目標達成に向けて、指標を判断することが重要です。

加えてオーストラリアの市場や、観光に訪れるオーストラリア人のこと、そして自社商材について理解した上で、媒体やメディアの選定をするのが効果的です。

リサーチ会社のスタティスタ(Statista)の2018年の調査報告によると、オーストラリアでは、検索連動型広告、バナー広告、ソーシャルメディア広告、クラシファイド広告などのオンライン広告は2,019億円の売り上げが予想されています。


参照元:https://www.webalive.com.au/online-advertising-trends-australia/

 

検索連動型広告とはユーザーが検索エンジンに入力した検索キーワードに連動して、画面に表示された広告のことで、特定のターゲット、広告の掲載スケジュールや配信地域などを細かく設定でき、広告の表示回数やコンバージョン数(購入や予約などの成果を得られた回数)などのデータの詳細も把握することが可能です。

広告費用のシステムとして、ユーザーがその広告をクリックした時だけ発生しますが、1クリックあたりの単価や広告予算の上限も広告主側が設定できます。そのため設定後でも効果の薄い広告を改善したり、期間などを限定したりと変更ができるため、設定された目標から予算を算出する場合に重要なことは、売り上げ目標を先に決めることと言えます。

 

日本からオーストラリアへプロモーションする場合の予算追加項目

商品やサービスのプロモーションを、オーストラリア現地で行う際に、日本国内でのプロモーション活動では掛からなかった費用が新たに発生することがあります。

ここでは、オーストラリアのイベント等へ出展する際に、予算の立案として必要である主要な項目と、それに伴う物価についてご紹介します。

予算内訳項目の把握

オーストラリアでのイベントやセミナーへの出展に関わる主な費用には、下記のものが挙げられます

  • 出展料、スペース料
  • 出張旅費(現地渡航費、宿泊費、食費、現地での交通費、通信費)
  • 輸送費
  • 運営費(通訳、アシスタントの雇用費)
  • 関税
  • 保険(海外旅行保険、出品物への保険)
  • 調査費(事前の市場調査、アンケート調査費など)
  • そのほか(セミナー開催費、記録用映像製作費など)

参照元:https://www.jetro.go.jp/ext_images/jmesse/column/pdf/exhibition_point.pdf

 

オーストラリアでのイベント等で、商品についてのプロモーションを行う場合、商品を国外へ持ち出す方法がありますがその場合は、商業用運賃関税運送保険などが必要とされます。

運賃は商品の輸送にかかる全ての費用を指しています。コンテナ代、商品の保管費用、運送業者の費用や仲介業者の費用が含まれます。

出品物の輸送方法としては、海上運送、航空運送、国際宅配便などがあり、出品物の内容や予算、期間などを踏まえて方法を決定します。

出品物の輸送は、通常運送会社に依頼するのが一般的ですが、船舶や航空機による運送は、それぞれ船舶運航会社、航空会社によって行われ、そのための手配や通関手続きの代行など、イベント会場までの貨物の往復に関する手配を運営会社が担うことが多いです。

また、商品をオーストラリアへ届ける際に、予期せぬことが起こる可能性を考慮して、商品にも保険をかける必要がある場合があります。

日本からオーストラリアへの関税は、物品のための職業用具条約、展覧会条約、商品見本条約の全てに加盟しています(ATA条約)。日本からオーストラリアへの一時輸入の通関手帳であるATAカルネも利用できますが、使用しない場合でもオーストラリア国内で消費、販売、譲渡、賃貸、破棄を行わない限り、輸入時の関税、財・サービス税は免除されます。

ただし、オーストラリアにて展示品を販売する場合には、オーストラリアの税関に関税とその他諸税を支払わなければなりません。この場合の税関は、販売者側からの保証金を債務として徴収します。
参照元:https://www.jetro.go.jp/world/qa/04N-110215.html

 

展示品の販売にあたる日本からオーストラリアへの関税率は、商品によって異なります。また日豪経済連携協定(EPA)を結んでいることから、関税削減が繰り返し実施されているため、販売の際には品目ごとに関税の確認が必要です。

参照元:http://www.customs.go.jp/kyotsu/kokusai/seido_tetsuduki/wariate/Australia.pdf

 

物価の勘案

日本とオーストラリアでは、物価や交通システムが異なります。

オーストラリア現地でのプロモーションをご検討される際は、広告宣伝費用や商品の輸送以外にも、現地での出資も含めて予算を立てる必要があります。

本項目では、滞在期間中に予算として必要とされる、外食費と現地での交通費をご紹介します。

レストランの値段は、お店のそれぞれの格や場所によって異なります。ファーストフード店では$3から$10の価格帯ですが、レストランでは日中だと$15から$30、夜になると$30から$70あたりの価格帯です。

シドニーの公共交通機関ではICカードを使うのが便利です。平日の1日の交通費の上限は$15で、その上限を超えるとその日の交通費は無料となります。シドニーでは電車とバスが一般的な交通手段で、距離によって値段が異なります。

参照元:https://www.opal.com.au/en/opal-fares/

出張の際に、交通機関から離れた場所への移動や、深夜での行動の場合、タクシーを使う機会もあるかと思います。

シドニーの場合、いくつかタクシー会社はありますが、料金はニューサウスウェールズ州内で定めらており、メーター制です。
初乗りは$3.6で、1キロごとに$2.19加算されます。ただし、ハーバーブリッジやハーバートンネルなどの1部有料道路、時間帯や曜日などによっては料金が加算されます。
参照元:https://www.nswtaxi.org.au/passengers/faqs

 

オーストラリアのプロモーションにかかる予算例

オフラインの場合

オフラインの主要なメディアとして、新聞、TVCM、交通広告などがあります。その他にも、オーストラリア人を誘致する場合は、オーストラリア現地へ赴き展示会やイベントへ参加することもプロモーション施策として挙げられます。

商品やサービスをまだ知らないオーストラリア人に対して、認知を向上させる目的のイベントもあれば、既存客の囲いこみや顧客満足の向上を目的とするものもあります。さらに商談相手や顧客と直接つながることで今後のメディアの方向性を決める参考にもなります。

オーストラリア人の旅行出発前の旅行情報源ランキングでは、1位に口コミサイト、2位に自国の親族や知人となっています。

旅行情報源ランキング
◆旅行出発前◆ ◆旅行出発後◆
順位 情報源 回答率 順位 情報源 回答率
口コミサイト (トリップアドバイザーなど) 38.4% インターネット(スマートフォン) 73.6%
自国の親戚・知人 36.5% 観光案内所(空港除く) 33.6%
宿泊施設HP 29.9% インターネット(パソコン) 29.5%
日本在住の親戚・友人 27.5% 宿泊施設 27.6%
個人のブログ 20.8% 日本在住の親戚・知人 25.6%
旅行ガイドブック 19.6% 空港の観光案内所 20.2%

(平成29年における訪日外国人の消費動向)
参照元:http://www.mlit.go.jp/common/001230776.pdf

この項目では、展示会やイベントなどへ参加する際の予算の例をご紹介します。

商品についてのプロモーションの予算例

シドニー日本産農産物・食品輸出商談会の場合

主催:日本貿易振興機構
日程:8月下旬
商談相手:オーストラリアの輸入業者、小売業者、レストラン関係者(バイヤー/シェフ)
対象商品: 生鮮牛肉、ホタテ寿司ネタなどの水産加工物、グルテンフリーなどの加工品
主催者側提供サービス: 会場費、共用設備、通訳手配、バイヤー向け広報資料作成など
参照元:https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Events/afb/annai_syd2.pdf

無形商材(地方自治体、宿泊施設、日本文化)のプロモーションの予算例

オーストラリアでの一般消費者向けの旅行博や観光セミナーについては、日本からの団体の共同出展となる場合が多く、企業や地方自治体などで出展費用は変動します。

Travel Expoの場合

日程:2月
募集企業:インバウンド促進団体、商業施設、運輸産業、宿泊リゾート施設、芸術文化施設、地域産業振興事業体、物産品販売事業体など
主催者側提供サービス:資料設置カウンターデスク3台、電源口1つ、ストックスペース

 

オンラインの場合

オーストラリアのネット普及率は88.2%となっています。またオーストラリア人が利用する主要検索エンジンは、Googleが93%という高いシェアを獲得しています。
* 日本の場合では72%がGoogle、Yahoo!が22.5%と続きます。(2018年8月現在)
参照元:http://www.soumu.go.jp/g-ict/index.html

また、オーストラリアの18歳から36歳の年代の人は、1日に平均17時間ほどソーシャルメディアに時間を費やしています。
参照元:https://www.entrepreneur.com/article/232062

オフラインでの広告とは違い、日本にいながらオーストラリアへのプロモーション活動が可能であるオンラインの予算の例をご紹介します。

ターゲットを絞った広告の予算例

ターゲットを絞った広告をオンライン上で掲載するのに、Google AdWordsという方法があります。利用者が商品やサービスを検索しているタイミングでプロモーションを打ち出せるので、問い合わせなどの成果につながる可能性が高くなります。またオーストラリアとなるとエリアが広くなりますが、配信地域を絞ることができることも魅力の一つです。

Google AdWordsは広告掲載の目標と支払いが可能な平均金額を元に、予算を設定できますし、変更も可能です。

その他にもオーストラリア人の利用度の高いFacebookやInstagramを用いて年齢や性別、興味関心などに合わせたプロモーションも効果的です。

目標予算:¥90,000

月間 オンライン広告予算例
媒体 内訳 合計
Webサイト Google AdWords ¥80,000
SNS Facebook ¥6,000
Instagram
 合計 ¥86,000

 

現地メディアを含めた広告の予算例

前述のGoogleでの広告やSNS以外にも、現地のメディアと用いた広告の方法もあります。メディア自体が持つ信頼性や、日本とオーストラリアで異なる広告の表現などの違いなどを反映することで、オーストラリア人に日本も魅力を伝わる見込みが高まります。

目標予算:¥150,000

月間 現地メディアを含めた広告予算例
媒体 内訳
現地メディア A 制作料
出稿
合計 ¥8,000
現地メディア B  制作料
出稿
合計  ¥74,000
その他  実施と運用
データ化
 合計  ¥82,000〜

 

オーストラリア人向けプロモーションの広告予算の立案について

オーストラリア向けのプロモーション予算を考える場合、オフラインかオンラインかに関わらず、本記事で紹介した通り、国内とは異なる予算の管理や考え方が必要となります。

オーストラリア人へのプロモーションには、留意しなければならない点が多々あります。さらに、今回取り上げられなかったオーストラリアでの市場分析、オーストラリア現地での法や制度、有効なメディアの違いなど多岐に渡って踏まえる必要があります。

オーストラリア人の利用度の高いサービスやメディア媒体、オーストラリアでのイベント参加の際に必要なご案内に関しましては、お問い合わせを受付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人:宮川美潮
東京都出身。情報通信系商社にて営業職を務めていた際に、マーケティングに興味を抱いたこと、また大学時代に学んでいた中国語よりも英語の必要性を強く感じ来豪。現在シドニーのTAFE(職業訓練校)にてマーケティングコースを受講中。

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オーストラリア国内にて様々なマーケティング分野で仕事経験を積み上げてきた私たちが、日豪の文化・市場の特性を理解した現地に密着しているからできる効果的なプロモーションを提供いたします。
シドニーを拠点に、東京でのサポートもさせていただいております。
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