昨年は2月だった春節が今年は1月になったということに加え、新型コロナウイルス感染症拡大防止策として中国からの団体ツアー販売が禁止されたため、東アジア市場において訪日外客数が大幅に減少し、2020年2月の訪日外客数は1,085,000人(前年同月比58.3%減)であった。
一方で訪日オーストラリア人客数は2月として過去最高の48,500人(前年同月比1.8%増)を記録。国内では新型コロナウイルス感染症に関連した報道が増加し、2月23日にオーストラリア政府が日本への渡航警戒レベルを「高度な警戒」に引き上げたが、継続的な訪日プロモーションやオーストラリア-日本間の路線拡大がこの伸びに大きく影響を及ぼしたとされる。
日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計の集計・発表
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/index.html
しかし、3月18日にオーストラリア政府は、世界全域を4段階の海外渡航情報のなかで最も厳しい「渡航禁止」に引き上げ、全国民の出国禁止を勧告。これに伴い、各航空会社もオーストラリア-日本間路線の運休や減便を表明。また、3月23日からスーパーや銀行など以外の必要不可欠でない活動・ビジネス施設を一時的に閉鎖、24日には一部の例外を除き、オーストラリア人の海外渡航を禁止するなど新型コロナウイルス感染症から国民を守るための措置が次々と取られている。
新型コロナウイルス感染症がインバウンド市場に与える影響も極めて厳しい状況となり、さらなる悪化が懸念されている今、JNTOシドニー事務所田中陽子所長はこのように語る。
「新型コロナウイルス感染症の影響がいつ頃に回復するか明言するのはなかなか難しいところです。このような状況が長引けば長引くほど旅行業界に与えるインパクトは大きいと思っていますが、オーストラリア人の旅行マインドは根強いものがありますので、状況が改善されれば旅行に行かれるマインドが高まると思います。ですので、JNTOは状況を注視しながら、適切な時期に機動的にプロモーションできるよう、しっかりと準備を整えているところです。日本サイドの皆さまにぜひこの時期に実施いただきたいことといたしましては、反転の時期は必ず来ますので、その時に向けての受け入れ態勢や提供できるコンテンツの充実化というところになるかと思います」
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