NEWS

2021年1月訪日オーストラリア人数まとめ/オーストラリアのコロナ現況と今後の国境再開について

By SCP編集部 in ツーリズムデータ |

昨年12月にイギリスでコロナのワクチン接種が開始されてから、2カ月余りが経過した。世界各国は、国境の封鎖措置などを継続すると同時にコロナのワクチン接種のペースも加速させることが事態収束の足がかりとなるとみている。また、この1カ月でコロナの世界の新規感染者数は半分近くに減少したとのデータも212日に発表されたが、一方で、コロナの感染拡大ペースが速まっている国もあり、周辺国などはコロナの感染防止策として国境を封鎖するなどの緊急措置を相次いで講じている。またコロナのウイルス変異種の感染も世界各地で広がっており、これまでに「英国型」は85カ国・地域、そして「南アフリカ型」が42カ国・地域で確認されている。

20203月から国境を閉鎖するなど感染防止策を講じているオーストラリアでは、222日から、優先的に感染リスクが高い最前線の医療従事者や空港・検疫・警察及び国境の労働者、隔離施設担当者や高齢者などを対象にコロナのワクチン接種を開始した。オーストラリア政府は10月末までにコロナのワクチン接種を終える計画を示しており、不足するワクチンを補充するため、オーストラリア国内でもコロナのワクチンを製造している。国境封鎖措置などによって、海外からの「持ち込み感染」を厳しく防止しているオーストラリアの国内では、コロナの市内感染者数0が続いており、現状ではコロナの封じ込めに成功していると言えるだろう。

 

 

オーストラリアのコロナ現況

オーストラリアでは広範囲でのコロナ感染は確認されていないが、オーストラリア国内第2の商業都市メルボルンを擁するビクトリア州では、隔離用ホテルでコロナの集団感染が発生したため、212日から5日間のロックダウン(都市封鎖)を施行。これに伴い、同時期にメルボルンで開催されていた全豪オープンテニスも数日は無観客で試合が開催された。オーストラリアの全土では222日から医療従事者らを優先したコロナのワクチン接種が開始されたが、220日にオーストラリアの各州都ではワクチン反対デモが勃発。そのほとんどは平和的に実施されたが、メルボルンでは一部逮捕者が出た。オーストラリアではコロナのワクチン接種はオーストラリア国民に留まらず、ビザ滞在者も無料で受けることができる。ワクチン接種の義務化はしないとしているが、モリソン首相もコロナのワクチンを接種したことで、その安全性をアピールしており、国民にできる限りコロナのワクチンを接種するよう喚起を促している。

オーストラリアの国境再開について

20203月にオーストラリアが国境封鎖措置を施行してから1年が経過するが、国境は未だニュージーランド以外には開放されていない。1月中旬にニュージーランドで数カ月ぶりにコロナの感染が確認されたことで、国境閉鎖措置こそ取られなかったものの、隔離措置免除は一時停止した。ただし221日より再び国境を越え、オーストラリアに入国することが許可されている。オーストラリアは、隔離措置なしで国境を跨いだ自由な往来を認める「トラベル・バブル」締結に向け、二ュージーランドと交渉を進めている。ニュージーランドが予定よりも早くコロナのワクチン接種を開始しため、一時期は早期実現するのではとも囁かれたが、ニュージーランドのアーダーン首相がワクチン接種は両国間の国境開放の動向にすぐ影響しないと言及したことで、時間がまだ要すると考えられる。212日にオーストラリア政府も「国内におけるコロナウイルスワクチンの接種が開始されても、年内に海外旅行を完全に再開する見込みは少ない」との見解を再度示したが、オーストラリア国内最大手の旅行会社「Flight CentreCEOのターナー氏は国際観光は下半期に再開されるだろうとの希望的展望を抱いている。事実、国内ではコロナの関連規制が一部緩和されている州もあり、ウィズコロナ時代の日常を取り戻しているようにも見受けられるが、国境を跨ぐ往来再開はワクチン接種の進展とその効果に大きく左右されることから、今後もその動向が注視される。

20211月訪日オーストラリア人数

日本政府は111日からオーストラリアを上陸拒否および上陸時のPCR検査受診対象指定から一旦解除したが、緊急事態宣言が発令している間は上陸時のPCR検査などが再び必須となった。そのうえ、コロナの感染対策として、14日間の隔離措置、そして査証免除措置適用の停止を講じており、オーストラリア政府も国境を跨ぐ海外渡航禁止措置を継続しているため、20211月の訪日オーストラリア人数は100人に留まった(前年同月比99.9%減)。また、オーストラリア国内でコロナの変異種ウイルスが確認されたことを受け、緊急事態解除宣言が発令している間は誓約書の提出や検疫強化の対象である。

JNTOシドニー事務所田中所長のコメント

「オーストラリアでは、市中感染が押さえられているという事もあり、日常生活が戻ってきている状況です。ただ、ひとたび感染が確認されると、突然州境に関する規制が導入されるため、まだまだ州を越える移動については慎重にならざるを得ません。そういった不便がワクチン接種によって緩和されるといわれており、多くの方がワクチンに期待をしているところです。現地旅行会社の中には既に2022年の桜ツアーを大大的にプロモーションをしているところもございます。また、徐々に2021年後半、2022年に向けたツアー造成を行い、訪日再開に向けた準備を進めている所も多く見受けられます」

SNS

関連する記事

コメントを残す