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現地旅行会社に聞く#01 Wendy Wu Tours

By SCP編集部 in 現地旅行会社に聞く

オーストラリア最大の訪中ツアー会社として知られるWendy Wu Tours(1994年に設立)では、2012年より日本のツアー販売を開始し、現在はガイド付きパッケージツアーを中心にテーラーメイドやソロツアー(ひとり旅)も取り扱っている。2017年にはオーストラリア国内で優秀な旅行代理店を表彰する「National Travel Industry Awards」の「Best Specialty Wholesaler Award」(ホールセラー最優秀賞)を受賞。2020年にも「Best Wholesaler International」(海外旅行ホールセラー部門グランプリ)にノミネートされるなど、今ではオーストラリアを代表する旅行会社のひとつとしてその地位を確立している。また現在は販売商品の約半分が訪日ツアーで占めるほど、日本旅行に力を入れている。今回はProduct Executiveのダニエラ・ジョウォルスキ(Danielle Jaworski)さんにお話を伺った。

御社の訪日ツアーに関して、人気売れ筋商品とその特徴を教えてください。

2012年より日本のツアーの販売をはじめました。最初3年はひとつの訪日商品のみでしたが、その後訪日旅行の需要が高まるにつれ、ここ2年は連続で前年比伸び率33%を達成。現在、全商品のなかで訪日ツアーは約40%を占めており、弊社を代表する商品まで成長しました。

一番人気は「JAPAN UNCOVERED」というツアーです。航空券、食事や宿泊やなどすべて含まれている18日間のパッケージツアーで、ゴールデンルートにくわえ、金沢・高山といったオーストラリア人観光客にとって人気の高いスポットを巡ります。また、このツアーには時期によりますが相撲観戦も組み込まれます。多くの外国人に人気がありますが、個人でチケットを入手することがむずかしいアクティビティです。弊社では独自のルートを通して入手していますので、相撲の開催時期には相撲観戦を楽しんでいただくことができます。

「JAPAN UNCOVERED」に次いで人気なのが、12日間で主要な観光地をまわる「JEWELS OF JAPAN」と味噌づくりや手すき和紙体験などを盛り込んだ「DISCOVER JAPAN」です。どのツアーにも幅広い層の方にご参加いただいていますが、平均すると40代以上の方が多く申し込まれています。

Wendy Wu Toursの特徴を教えてください。

パッケージツアーが中心ですので、極端なことを言えば、パスポートのみあればすべて手配いたします。また、(テーラーメイド以外の)ツアーのすべてに最低5年以上の経験があるバイリンガルガイドが付き添います。それぞれの地域で生まれ育った方たちなので、その街、歴史や文化に精通しており、自分たちの言葉で各地域の特徴を直接説明してくれるのも、お客様から高い評価をいただいています。また、もともとは訪中ツアーに特化していたので、日本だけではなく、中国・日本の2カ国周遊ツアーも催行しています。

今後、大きな需要が見込まれる商品はどのようなものだと考えますか? また、ここ最近ツアーの取り扱い数が増えている地域などはありますか?

以前から九州エリア、特に福岡や別府に関して多くの問い合わせをいただいていましたので、その地域を網羅した「JAPAN & THE SCENIC SOUTH」というグループツアーを造成しました。残念ながらオーストラリア~九州間の直行便は現在ありませんが、就航した際にはすぐ人気のデスティネーショになるでしょうね。くわえて、昔ながらの街並みが残る地域として長野、高山や四国の需要も高まっています。

古くからの伝統文化と先端テクノロジーが共存する日本を楽しみたいと思われているお客様が大半ですので、たとえば、東京では最新テクノロジーを体験、その後に長野へスノーモンキーを見に行ったり、高山では古民家に宿泊したりとご要望に沿ったツアーを増やしていく予定です。

また、ツアー参加者へのアンケートでは日本庭園をもっと見てみたいという回答が多くあります。お客様のほとんどが40代以上ということもあり、日本特有の「侘び寂び」の美意識をより感じることができるよう、日本庭園に特化したツアーも今後造成する予定です。

オーストラリア人観光客のトレンドはどのようなものですか。

日本は四季折々の風情を楽しめるため、「季節」は旅行時期を決める上で特に重要です。「スキー」や「桜」は定番となっていますが、ここ数年、「紅葉」を見たいという方も増えています。また、見ることだけに満足するのではなく、文化や自然を体験したいという方がほとんどです。日本は、世界遺産(登録数23件)をはじめ。豊富で多様な観光資源を有しているため、一度訪れただけでは飽き足らない方がほとんどです。そのような理由から弊社では日本にはじめて訪れる方やリピーターの方など、どのような方にも選んでいただけるように自然、文化そしてテクノロジーと多岐にわたった体験が多くできるようなツアーを提供しています。

訪日インバウンドを始めたい地方自治体や企業が御社に自分たちの地域を組み込んでほしいといった場合、どのような流れになりますか。

まず、その地域の特徴やその中でも私たちのお客様にどのような点を強く訴求していきたいか、どのようなオファーをして下さるのかを明確に提示していただきたいです。イギリス本社のプロダクトチームが商品造成を担当していますが、ここシドニー支社でもそのプロセスに携わっています。まだまだ知られざる地域にお客様を多く誘客したいので、もしWendy Wu Toursに興味を持っていただけるのであれば、よろこんでお話させていただきます。

取材:臼井 佑季

文:重松 莉那

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