By SCP編集部 in オーストラリアでのプロモーション, オーストラリア基本情報, ツーリズムデータ
訪日旅行者は年々増加し、主要都市や観光地は賑わいを見せています。今後、より地方の魅力や独自の体験を効果的に届けるには、戦略的な情報発信が欠かせません。地域の存在が認知されなければ、興味喚起や訪問につなげることは難しいでしょう。その解決策のひとつが、オーストラリアで高い信頼性と影響力を持つローカルメディアとの連携です。読者に寄り添った現地発の情報は、広告を超える説得力を生み出します。
実際のタイアップ例を通じて成功の鍵と活用の可能性を探ります。
目次
オーストラリア現地での認知度アップ
オーストラリア人観光客は、他国の旅行者に比べ「長期滞在・高額消費型」の傾向が強く、旅行支出の多くを体験や娯楽に充てる「コト消費」志向が顕著だと言われています。加えて「狭く深く旅したい」という嗜好から、地方の観光施設や自然・文化体験への関心が高まりつつあります。近年は周遊型よりも一国に滞在して質や没入感を重視する傾向も強まっており、日本の地方観光地にとって大きな追い風と言えるでしょう。
一方で、自治体や地域事業者が単独で知名度を広げるには全国規模の広告や大手メディア露出には相応のコストが発生するため、ハードルが高いのが現状です。そこで注目されるのが、現地で高い信頼を得ている「メディアとのタイアップ」です。ローカル目線の発信は広告以上の説得力を持ち、効果的に地域の魅力を届ける手段となります。
▶︎インバウンド市場の分析の詳細は下記の記事をご覧ください。
秋冬に増えるオーストラリアのインバウンド市場を徹底解説!
【参考】国土交通省観光庁:「訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向の関係について」
影響力のあるメディアとタイアップ
オーストラリア人観光客が旅行情報を得る手段として、2025年の調査ではソーシャルメディアが主要な入口となっており、Facebookが27 %、YouTubeが21 %、InstagramやTikTokがそれに続く結果に。旅行会社の公式サイトも強い影響力を持ち、視覚的に豊かで信頼性の高い自社チャネルが特に効果的のようです 。
当然ではありますが、ローカルメディアはオーストラリア人の生活習慣や価値観に沿った情報発信を行い、読者や視聴者との信頼関係を築いています。そのため、自治体や観光施設が単独で広告を出すよりも高い説得力を持って受け止められやすいと言えます。加えて、メディアが持つ編集力によって、地方ならではの体験や物語を魅力的に伝えることができ、SNSでの二次的な拡散にもつながると考えられます。限られた予算でも効果を最大化できるのが、ローカルメディアとのタイアップの大きな利点です。
【参考:STARTBOX】
鍵は「市場との相性」
ローカルメディアとのタイアップで成果を高める鍵は、「アプローチしたい市場にマッチしたメディア」を選ぶこと。例えば、自然やアウトドア体験を強みに持つエリアや企業であれば、アウトドア専門誌やサイクリング関連メディアとの連携が、同じ嗜好を持つ読者や視聴者に興味を持ってもらう近道になることは明らかです。タイアップ記事は読者や視聴者に「自分に関係がある情報」として自然に受け止められ、実際の訪問や体験参加につながりやすくなるのです。
的確なメディア選びは、単なる情報拡散にとどまらず、旅行者とのマッチングを高めて「認知から行動への転換」を促す重要なファクターだといえます。
ローカルメディアとのタイアップ例
機内誌:カンタス航空「Travel Insider」
出典:Travel Insider
「カンタス航空」は1920年創業依頼、オーストラリア人旅行者の第一選択航空会社としての地位を築いています。毎月観光されている機内誌「Travel Insider」も長い歴史を持ち、2008年にはオンライン版が立ち上がり豊富な記事や都市ガイドがウェブで利用可能になりました。読者数は月間約53万人で富裕層やビジネス層の読者が多く含まれており、65%の読者が「旅のプランの参考にしている」または「参考にして旅行した」と答えたというデータがあります。
【参考】MIDIUMRARE
日本旅行を控えている、あるいは計画中の乗客にとって、機内で手にした雑誌に日本の魅力的な記事が掲載されていれば、「次の旅ではここに行ってみよう」と思いを巡らせるのはごく自然な流れです。
■東京観光財団(TCVB)のタイアップ記事:
”The Under-the-radar Daytrip That Tokyo Locals Love”
地元民にも愛される高尾山の魅力を発信
都心から電車で1時間以内にある「高尾山」は、四季折々の魅力があり地元の人々が愛する穴場の日帰り旅スポット。初めての訪日旅行で東京観光に来たオーストラリア人観光客にも、まさに気軽に「もう一歩」足を伸ばしてもらえる地の利と、バランスが取れた観光資源が魅力的に紹介されています。
【タイアップ元ウェブサイト:公益財団法人東京観光財団(TCVB)】
新聞:シドニー・モーニング・ヘラルド(新聞)土曜版「Traveller」
■日本政府観光局(JNTO)のタイアップ記事:
”Shodoshima, Japan travel guide: Island set to be Japan’s next big thing”
次に注目される観光地として小豆島をフィーチャー
すでに人気の観光地である瀬戸内エリアの中でもイチ推しスポットとして「小豆島」を取り上げています。多彩な食文化や自然美に加え、寒霞渓の雄大な景観や老舗の醤油醸造所、潮の満ち引きで現れるエンジェルロードなど豊富な見どころのほか、瀬戸内国際芸術祭の開催地としても知られる島の魅力が紹介されています。
【タイアップ元ウェブサイト:日本政府観光局(JNTO)】
ファミリー層向け旅行誌:Holidays with Kids
「Holidays with Kids」 はオーストラリアを代表するファミリー向けの旅行誌で、雑誌とオンラインの両方で幅広い読者に支持されています。乳幼児からティーン世代までの子連れ旅行を対象に、宿泊施設やテーマパーク、アウトドア体験、海外旅行まで実用的な情報を網羅。編集部の取材記事や読者レビュー、人気投票によるアワードなどを通じて高い信頼性を得ており、観光局やホテルチェーンも積極的にタイアップを行う影響力あるメディアとして知られています。
オーストラリアでは、スクールホリデーに合わせて海外旅行を楽しむ家族が多く、旅行先を決める際には子どもの意見が重視される傾向があります。そのため、子どもも楽しめる施設やファミリー層をターゲットとした宿泊施設・観光地に非常に親和性の高い旅行メディアと言えるでしょう。
■MIMARUアパートメントホテルのタイアップ記事:
”MIMARU offers great family rooms in Japan”
家族旅行のユニークな滞在先
MIMARUは、主要都市エリアに展開するファミリー向けアパートメントホテル。各施設は駅近でアクセス良好で長期滞在者にはありがたいファシリティが充実しています。和室やロフト、二段ベッドなど多彩なレイアウトを提供し、ポケモンや忍者、浮世絵などユニークな客室テーマも大人気です。
【タイアップ元ウェブサイト:MIMARU Apartment Hotels】
■青森県のタイアップ記事:
”Vist Japan’s Aomori Prefecture for winter fun”
家族で楽しめる青森のアクティビティを発信
青森といえば夏のねぶた祭りが有名ですが、冬から春にかけての青森も魅力的。英語でのレッスン完備のスキーリゾートへの滞在はもちろんのこと、ねぶた祭りを学んだり体験したりできる「ねぶたの家ワ・ラッセ」の見学をしたり、海の幸を堪能したりと幅広いアクティビティが紹介されています。
【青森県公式観光情報ウェブサイト:Amazing AOMORI】
旅行誌:Vacations & Travel
「Vacations & Travel」は1983年創刊のオーストラリアの老舗旅行雑誌として国内外の質の高い旅行体験を幅広く紹介しているメディア。読者層は年に平均2回海外を旅行する中高所得者層で、旅行に対して意欲が高い層への訴求が期待できます。ハイクオリティな取材記事と美麗な写真で、クルーズやウェルネス、エコツーリズムまで多彩なジャンルを網羅。独自の国際的なライター陣による記事は数々の賞も受賞しており、信頼性と影響力のあるメディアとして評価されています。
このような特徴から、プレミアムな旅や高付加価値型サービスを訴求したい企業にとって、有力なプロモーションチャネルとなり得るメディアです。
■鳥取県のタイアップ記事:
”Natural selection: the wonders of Tottori”
ChatGPT:
▶︎ローカルメディア戦略プロジェクトの取り組みや成果をご紹介したこちらの記事もご参考ください。
サイクリング専門誌:Cyclist
ChatGPT:
■愛媛県のタイアップ記事:
”Epic Ehime: Big Ride Japan”
サイクリングの聖地の魅力を余すことなく紹介
「しまなみ海道」はサイクリストにとって魅力的な目的地。瀬戸内海を横断する70 kmの海道は絶景と文化が融合した聖地とされ、 奥深い自然と高原ルート、柑橘畑を抜ける南予地域の多彩なコース、石鎚山の激しい峠道など、初心者から上級者まで満足できる体験が複数の記事を通して詳しく紹介されています。
【愛媛県公式観光情報ウェブサイト:いよ観ネット】
※ローカルメディア戦略プロジェクトの取り組みや成果をご紹介したこちらの記事もご参考ください。
注目のローカルメディア
ご紹介したほかにも、様々なローカルメディアとのタイアップが考えられます。
▼旅行・ライフスタイル
- LUXURY TRAVEL:
富裕層向けに、主に海外のラグジュアリー旅行情報を発信するメディア。雑誌(年4回発行)とウェブを展開。読者の6割以上が過去1年以内に2回以上海外旅行をしており、海外旅行への関心が非常に高い富裕層にリーチできる。 - INTERNATIONAL TRAVELLER:
海外旅行に特化した雑誌・ウェブ媒体で、日本に関する記事も多数掲載。読者の7割以上が旅行の意思決定者とされる女性であり、旅行先選びに強い影響力を持つ点が特徴。 - BROADSHEET:
オーストラリアの主要都市ごとに、飲食・アート・ファッション・エンターテインメント・旅行・ショップ情報を発信するライフスタイルメディア。読者の97%が掲載情報をもとに実際に店舗や旅行先を訪れるなど、高い行動喚起力を誇る。
▼アウトドア・スポーツ
- WILD:
40年以上の歴史を持つ、オーストラリア最古のアウトドア・アドベンチャーメディア。ハイキング、バックカントリー、登山など大自然でのアクティビティ情報を発信。雑誌とウェブを展開。
- SNOWSBEST:
南半球におけるスキー・スノーボード・旅行情報の主要メディアのひとつ。過去にはカンタス航空、ニュージーランド航空、星野リゾートなどのキャンペーンも担当。日本に関する記事も数多く掲載。 - MOUNTAIN WATCH:
スキー、スノーボード、ハイキングなど山岳スポーツや天気予報を提供するメディア。読者は男性6割、女性4割。約8割がオーストラリア在住で、特にNSW州が半数を占めるほか、ニュージーランド、アメリカ、日本、カナダからのアクセスもある。
■さらにローカルメディアを紹介しているこちらの記事もぜひご参考ください。
ローカルメディアと効率的にタイアップするには?
今後さらなる観光客を呼び込むためのアプローチが効果を生むには、より戦略的なアクションが求められます。オーストラリアのローカルメディアを適切に選定することにより、狙ったターゲットに情報を届け、すでに日本に興味のある顕在顧客だけでなく潜在顧客にもアプローチすることが可能です。
オーストラリア市場に向けたプロモーションをご検討されている方は、サザンクロス・プロモーションズにぜひお気軽にご相談ください。長年訪日インバウンドプロモーションのお手伝いをしてきた経験を持つ当社だからこそできるサポートで、踏み込む一歩に寄り添います。
■当社のオーストラリアのローカルメディアに関するサービス詳細については、下記をぜひご覧ください。
▶︎訪日観光プロモーションの進め方
https://www.scpromo.com.au/australia-inbound/
▶︎事業案内「ローカルメディア戦略」
https://www.scpromo.com.au/service/local-media