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オーストラリア最大の日系イベント「祭り」が今年も開催

By SCP編集部 in イベントレポート

2006年から開催され、今やシドニーの夏の風物詩として親しまれている「Matsuri Japan Festival 2019」が、12月7日(土)、ダーリングハーバーのタンバロンパークにて開催された。多くの協賛企業がサポートする同イベントは年々規模を拡大し、14年目となった今回も例年通りの盛り上がりを見せた。州内で発生しているブッシュファイヤーの噴煙による影響もあったようだが、およそ3万人を動員、シドニーの夏と日本の文化を楽しむシドニー市民で賑わった。

会場は、屋台、ステージ、日本文化を体験できるワークショップ、観光プロモーションブースで構成され、お祭りには欠かせないお好み焼きやたこ焼き、暑い天候にはピッタリのかき氷を販売する屋台には長蛇の列ができるなど日本の祭りらしい風景が随所に見られた。

またステージでは、ダイナミックな書道のパフォーマンスや、和太鼓による熱い演奏などが披露されたほか、華道や書道を体験できるワークショップのエリアでは、思い思いに作品を作っている人たちや、それを写真に収めようとする人たちで賑わうなど、会場は終始熱気で溢れ、日本の伝統文化が織りなす芸術の数々に多くの人が魅了された。

そのほか、JNTO(日本政府観光局)をはじめ、航空会社や日本の自治体、企業などがブースを展開し、熱のこもった観光PR合戦を繰り広げるなど、日本側のインバウンド景気に煽られたような光景も印象的だった。

イベントの最後に会場一丸となって踊る盆踊りでは、故郷の踊りを懐かしむ日本人や、踊りを教わるオーストラリア人で会場が埋め尽くされ、日豪の調和や絆を深めるということの大切さを改めて認識させる締めくくりとなった。このようなイベントを通して、日豪の関係がより強固なものになることに期待したい。

今年の「Matsuri Japan Festival」はいかがでしたか?

水越有史朗氏(祭り運営委員)

例年になく蒸し暑い天気で、山火事の影響も心配でしたが、今年もたくさんの方々にお越しいただきました。今年はサイレントディスコの実施や、新しいグループを日本から招待したり、来場者が涼めるサンシェードを建てたりと、初めての試みもいくつかありました。サンシェードが人々の憩いの場になっていたり、人気のブースは長蛇の列ができていたりと、今年も成功だったと思います。日豪両国の調和や絆を深めるのは大切なことですし、年に一度そういうことを意識してもらえればと思います。

定行亮氏(全日空シドニー支店・支店長)

もう5回目の出展になりますが、例年通り大盛況で素晴らしいと思います。来年、シドニー~羽田間の便数を増やして1日2便運航することになるので今年もちょうど良いタイミングで出展させていただきました。毎回SNSを使ってブースに来てくれた方々と今後も繋がっていけるような仕掛けにしています。その方々に直接情報をお届け出来る仕組みにしており、その数も段々と増えてきています。そういう地道なプロモーションが大事だと思います。これだけ来場者があるだけに、みなさんの日本への関心が高い印象です。ですからなおさら密に繋がって「日本と繋がっている」と感じていただきたいです。

田中陽子氏(JNTOシドニー事務所・所長)

大勢の方に来場していただき、嬉しい限りです。日本に興味を持ってくれている方が多いなという印象を受けました。まだまだゴールデンルートに行かれる方が多いので、幅広く日本全国の地方を紹介したいと思っております。オールジャパンとして日本を盛り上げ、日本に興味がある方に対して、興味だけじゃなく実際に足を運んでいただきたいと思っています。

宝本聖司氏(日本航空オーストラリア・ニュージーランド支店・支店長)

おかげさまで、今回もJALのブースにたくさんの方々が訪れてくださいました。今年はJALがシドニーと東京間を結んで50周年ということで、紙飛行機がターゲットにあたると商品が貰えるというゲームを実施しました。「紙飛行機」は日本文化のひとつなので、これを知ってもらいながら楽しく遊んでいただきたいという考えからです。「ラッキードローキャンペーン」では、当たった方に日本への航空券をプレゼントし、さらに日本への関心を深めていただきたいと思っています。

黒田恭代氏(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

今年は本当にたくさんの方々にUSJのブースに来ていただきました。想定していた時間よりも早くフライヤーがなくなり、本当に盛況だったと思います。この「Matsuri Japan Festival」は、B to C向けのイベントで最大規模だと伺っており、我々も効果があるイベントだと認識しているので、2014年から毎年出店させていただいております。以前は「大阪は知っているけど、東京との地理感が分からない」という方もいらっしゃいましたが、最近ではUSJに行ったことがある人や、その具体的な話を耳にすることも多いので、お陰様で弊社の認知も徐々に上がってきていると思います。

田村史郎氏(静岡ツーリズムビューロー)

祭りには今年で3回目の出展です。初めて出展した際に、非常に多くのお客さまに興味を持っていただいたので、引き続き2年目3年目と出展させていただきました。静岡県は富士山やお茶が非常に有名で、オーストラリアの方にも訴求が見込めるということで、そこを前面に打ち出していきたいと思っております。日本はオーストラリアとの時差が少ないため、オーストラリア人観光客にとっても負担が少なく、季節が真逆なので、まったく違ったコンテンツやアクティビティーを楽しめる非常に良いマーケットだと思っています。

根本夏子氏(箱根DMO)/ 津田長氏(箱根町企画観光部)

今回は、B to C 向けのイベントとして有効だと思い参加させていただきました。箱根のブースでは、箱根が誇る一大シンボルである、芦ノ湖の富士山と箱根神社の鳥居を表現し、来場者の目につくことを心掛けました。手作りの缶バッチや、クリアファイル、折り紙、クラフトキットなどのノベルティーも充実させています。その他、簡単な箱根についてのクイズや、伝統工芸の寄木細工の幾何学模様の秘密箱を開けるチャレンジや、オーストラリア人の旅行動向やニーズを知りたいと思い、QRコードを作って簡単なアンケートも実施しました。

橋本英子氏(大分朝日放送)

海外からのお客さまを呼び込む事業の一環として、「チャンネル10」で毎週土曜日の4時半から「Discover Japan:Kyushu」という番組を全4回放送させていただいています。番組のPRやそれに関連した自治体や国立公園の紹介をしようと考え、この祭りに合わせて放送日を選びました。まずは九州を知ってもらうことが大切だと思っているので、お渡しするパンフレットも英語のものを作り、九州の良いところがきちんと伝わるよう心がけました。ただパンフレットを配るだけではなく、番組のダイジェストを映像で流したり、だるま落としのゲームをしたりと、目で見て遊んで楽しんでもらえるような工夫も凝らしました。

取材・文 岸田祐季/撮影 濱田紗衣

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