オーバーツーリズム
観光客が過度に集中することで環境・景観破壊やそこに居住する地域の人々の生活に悪影響を及ぼすこと。近年、より多くの国が一定の経済発展を遂げたことで海外旅行者が増加したこと、また格安航空券の普及やメディア・SNSの台頭により、観光地や海外情報を容易に得ることができるようになった点がオーバーツーリズムの問題を引き起こしたと言われている。イタリアのヴェネチアでは年間約3,000万人以上の観光客が訪れるが、これは住民の500倍以上に値する。この大量の観光客を受け入れるため、多くのホテルが乱立したことによって、地下や家賃が高騰。住宅エリアの縮小化が問題となっている。また、観光客増加による混雑やゴミのポイ捨てなど様々なトラブルが発生したことから、イタリア政府は旅行者から入場税徴収を導入することを決定した。日本では鎌倉や京都などで路上でのゴミの散乱や混雑が地元の住人の生活を脅かしている。こうした問題を受け、観光庁は2018年に「持続可能な観光推進本部」を設置し、対策を講じている。