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2020年4月訪日オーストラリア人数データまとめ

By SCP編集部 in ツーリズムデータ

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるい、各国が感染拡大防止策として海外渡航制限やロックダウンなどの措置を実施したことから、2020年4月の訪日外客数は2,900人(前年同月比99.9%減)に激減。22市場すべてでほぼゼロに近い数字を記録した。月間の訪日客数が1万人を下回ったのは1964年の統計開始以降初めてのことであり、減少率も過去最大となった。

日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計の集計・発表

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/200520_monthly.pdf

訪日オーストラリア人は50人(前年同月比99%減)。3月から施行されている海外渡航禁止令に加え、日本でも水際対策の抜本的強化のため外国人入国拒否対象地域にオーストラリアを追加したことなどが要因としてあげられる。

オーストラリアでは3月下旬から施行している行動規制や入国規制などの措置が功を奏し、新規感染者は減少の一途を辿っている。国内で最も人口が多いNSW州においては、過去24時間以内の新規感染者数がゼロを記録した日もあり、全国的にもその数は2桁台前半で推移している。モリソン首相は早ければ7月までに経済活動を正常に戻すことを指標とし、3段階での規制緩和を発表。新型コロナウイルスとの共生を見据えながら、早期の社会・経済活動を再開する動きが国内では加速している。

渡航制限に関してはニュージーランドに限定した解除をまず検討。早ければ今年の8月に検疫なしで両国間を自由に往来できる見通しだ。ただニュージーランド以外の国に対してはまだ国境を開放しないとし、依然として慎重な姿勢を示している。

刻一刻と変化するオーストラリアの状況についてJNTOシドニー事務所田中所長に伺った。

オーストラリア人の旅行マインドは非常に根強く、当所のSNSにも訪日に前向きなコメントが多く寄せられています。他国同様、オーストラリアもコロナの影響で経済的に落ち込んでいますが、訪日旅行者層については、従来から経済状況に大きく影響をされる層ではありませんので、その点に関してはあまり懸念していません。ただ、訪日層がコロナ前の水準に戻るまではもうしばらく時間がかかると思っています。

当所の取り組みとしては、5月上旬から観光ウェブセミナーの配信を開始しました。まずは日本の概要からはじめ、回を重ねるにつれて、地域別の情報を発信していく予定です。また、B to C向けの情報発信については、在宅勤務が当面続きますので、オンライン会議にてご活用いただけるようなバーチャル背景をダウンロードできるようにしました。

SNSではユーザー参加型の企画で、毎月テーマに沿った『思い出シェア』や『日本でやってみたい事』などを投稿してもらう予定です。「口コミ」は訪日意欲を促進するために最も効果的ですので、キャンペーンではこういったユーザーの声も活用したいです。

終息の見通しが一向に立たず、不安ばかり募る時期ではありますが、今だからこそコンテンツの見直しや受入態勢の向上を目的とした勉強会などの実施ができると思います。オーストラリアでは厳しい感染防止対策の成果によって、収束の方向へと向かっています。また、感染第2波に備え、国民にコロナ追跡アプリの導入を促すなど、徐々に明るい兆しが見えてきました。渡航制限解除に関してはしばらく時間がかかりそうですが、この機会に取り組まれた事は、必ず実を結びます。市場に関するご相談などあれば、遠慮なくご連絡いただければと思います」

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