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2020年11月訪日オーストラリア人数まとめ/オーストラリアのコロナ現況と今後の国境再開について

By SCP編集部 in ツーリズムデータ |

  201912月に発生した新型コロナウイルスは、その後瞬く間に全世界へと拡大したが、オーストラリアも320日、コロナ感染抑止対策の一環として国境を閉鎖した。国境を跨ぐ移動制限に踏み切ることで、海外からの持ち込み感染を防止すると同時に自国民の出国を原則禁止にするなど、国境を超える往来を現在もほぼ完全に遮断している。

また国境の封鎖に加えて、オーストラリアの国内でも外出規制やロックダウンなどを施行しコロナ制圧に努めた。この迅速な措置によって、オーストラリアでは第1波の早期封じ込めに成功し、一旦はコロナに打ち克ったに見受けられたが、しかし、8月にはビクトリア州にコロナ第2波が襲来。世界的に最も厳しいロックダウンを実施することで11月下旬には一時的にオーストラリアの国内新規感染者ゼロの状態まで抑え込むことに成功した。

129日にイギリスで、そして15日にはアメリカで始まったワクチン接種を皮切りに今後、世界中でワクチン接種の加速が予期される。オーストラリアは、国内だけでなく世界的にコロナのワクチンが普及するまでは、国境を開放しないとの可能性を示唆しており、今後のワクチン接種状況がオーストラリアの国際観光再開の大きな鍵を握る存在として、その動向に注目が集まっている。

 

 

オーストラリアのコロナ現状

オーストラリア・ビクトリア州がコロナの第2波に見舞われた以降、大規模な国内感染が発生しなかったため、一時は全州・準州の州境規制がほぼ全面解除となった。オーストラリアの国内移動が解禁され、クリスマスや大晦日などの大規模イベント開催が景気回復の起爆剤になると期待されていたその矢先に、ニューサウスウェールズ州シドニーの北部海岸(ノーザンビーチ)地域でコロナの集団感染が発生した。同地域は数日間、不要不急の外出を制限するロックダウンを施行しているが、この事態を受け、国内各州・地域はニューサウスウェールズ州との州境を再閉鎖またはシドニー大都市圏などの住民を対象に強制隔離を義務付けることで、何とかしてクリスマスから年末年始にかけての感染を沈静化しようと懸命にコロナ感染防止策に講じている。

オーストラリアの国境再開について

オーストラリアの国境はニュージーランドのみ部分的に再開している。1214日、ニュージーランドのアーダーン首相は、20213月までにオーストラリアとの「トランスタスマン・トラベルバブル」開始を承認したと発表。具体的な開始日こそ明言しなかったものの、ニューサウスウェールズ州シドニーの一部地域で集団感染が発生していることから、実現するのは来年2月以降だと囁かれている。これが導入されれば、オーストラリアからの旅行者およびニュージーランド人のオーストラリアからの帰国者は国境を跨いだとしても、14日間の管理隔離措置なしでニュージランドへの入国が可能となり、国際的な相互往来の正常化へ第一歩となる。

しかし、オーストラリアがニュージーランド以外の国・地域との国境再開に踏み切るにはまだまだ時間が要するだろう。オーストラリアの連邦政府は、観光客や留学生を含む海外旅行再開にはコロナのワクチンの普及が不可欠とし、2021年末までには国境の開放はされないだろうとの見通しを明らかにしている。

202011月訪日オーストラリア人数

日本政府はオーストラリアに対する感染症危険情報のレベルを引き下げたことで、111日から同国は上陸拒否および上陸時のPCR検査受診対象指定から解除された。しかし、オーストラリア政府は国境を跨ぐ海外渡航禁止措置を継続しており、日本政府もコロナの感染対策として、14日間の隔離措置、そして査証免除措置の適用を停止しているため、202011月の訪日オーストラリア人数は300人に留まった。(前年同月比99.4%減)なおオーストラリアの国境閉鎖に伴って、オーストラリア・日本間を結ぶ直行便の多くが運休を継続している。

JNTOシドニー事務所田中所長のコメント

2020年11月の訪日オーストラリ人数は300名でしたが、オーストラリアからの国境を越える海外渡航については、事前申請および帰国後の強制隔離が義務付けられているため、大きな状況の変化は見られません。国内で感染状況が落ち着いていたことから、旅行業界関係者はじめ消費者もクリスマスホリディを前に国内旅行を楽しみにしていましたが、ニューサウスウェールズ州でクラスター発生がしたため、各州境が再規制を導入するなどオーストラリアは再び厳しい封鎖に追い込まれています。世界の現状をみても、訪日インバウンドの苦難な状況は続いていますが、当所ではオーストラリア人の訪日に対する関心を途切れさせることが無いよう取り組んでいます。また、このような時期だからこそ、日本側の皆様にご協力をいただきながら、SNSなどを通じて、新たな層にも日本の魅力を感じていただけるようなコンテンツ発信を実施しています。これに併せて、オーストラリアの最新情報を日本側の皆さまと共有し、今後のプロモーション計画のお役に立てるよう努めているところです。引き続き、来年も日本側、豪州側の皆さまと協力しながら、オーストラリアが国境を開放し、国際観光が再開された際には、安心して訪日旅行を選んでいただけるよう情報発信など含めて実施してまいります

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