実績紹介

Australian Sake Awards(国際日本酒コンクール)

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[実施期間]

2022年・2023年

[プロジェクトの背景]

オーストラリアで初の試みとなる「Australian Sake Awards(国際日本酒コンクール)」は、JAMS.TV PTY LTD主催のもと、日本酒が持つ多様な魅力を広く伝えること、高度な教育機会の創出と人材育成を促進すること、そして長期的な市場形成をしていくことを目的として開催。オーストラリア国内外から登録された日本酒を、事前に選出されたオーストラリア人審査員が試飲して審査し、オーストラリア市場で好まれる日本酒を選出した。オーストラリアでは近年、日本酒が人気を博している。オーストラリアへの日本酒輸出額は過去12年間で7.7倍にまで増加し(財務省「貿易統計」)、現地の日本食レストランや日本食材小売店、酒販店などでも多様な日本酒が販売されている状況であり、今後もオーストラリアの日本酒市場を拡大していくためには、こうした現地の「消費者に最も近い」情報伝達者をさらに増やし、日本酒知識を広めることが重要な課題となる。本コンクールを通してオーストラリアに日本酒の多様な魅力を伝え、現地の日本酒エキスパートを育成することで、日本酒市場の長期的発展に寄与していきたい狙いがある。

[タスク]

本コンクールの出品酒と審査員をJAMS.TV PTY LTDから公募した結果、オーストラリア国内外から196銘柄の日本酒が出品され、65名のオーストラリア人関係者が審査員として参加した。出品可能な日本酒は、国内外問わず合法的に製造免許を受けて製造・販売されている日本酒およびSAKEであり、オーストラリア国内において販売中、または今年度中に販売開始予定であるものに限った。各審査員はオーストラリア人ソムリエや酒販店・飲食業従事者、日本酒資格保持者、輸入・卸業日本酒担当者で構成され、事前に審査員向けの日本酒講義の受講を求めた。審査方法は公平な評価を出すため銘柄やラベルを見ないブラインドテイスティング形式で実施し、審査カテゴリーを純米酒部門、純米吟醸部門、純米大吟醸部門、吟醸・大吟醸部門、生酒・生原酒部門、本醸造・普通酒部門、スパークリング部門、熟成酒部門の8部門とした。各審査員は10名ずつテーブルに着き、各自約50銘柄を試飲。各出品酒に対して100点満点の加点方式で点数をつけ、各審査カテゴリーから高スコアを獲得した酒を選出した。

プラチナ賞:カテゴリー別に最上位1種を選出
ゴールド賞:カテゴリー別に出品酒総数より上位20%を選出
ピープルズチョイス賞:出品酒全体から10銘柄程度を選出

[結果]

JAMS.TV PTY LTD主導で全ての出品酒の試飲時間を入念に構成し、審査員の負担を減らすため十分な休憩を挟みながらスムーズな進行に努めた。会場は無風で直射日光が当たらないよう配慮され、温度は20度前後、酒の温度は12度~14度程度、生酒・生原酒は5度~7度に保たれるなど、審査員が最も適した状態で試飲できるよう、全出品種の保管と提供には細心の注意を払った。結果、50種以上の日本酒を試飲するに当たり、参加者全体から概ね高評価を得られ、次回への期待の声や審査員同士の活発な交流も見られた。本コンクールを経験した製造業者や流通業者が、オーストラリアの日本酒消費者それぞれに付加価値の高い日本酒とマッチングさせることで、オーストラリア市場でも日本酒の高価格化と消費量の増加が期待される。また、JAMS.TV PTY LTDでは本コンクールを皮切りに今までとは異なるアプローチを見出し、さらなる日本酒ファンの拡大と購買意欲喚起を目的とした、オーストラリアの日本酒流通業者による日本酒即売会などの開催も視野に入れている。



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