By SCP編集部 in オーストラリア基本情報
ニューサウスウェールズ、ヴィクトリア、クイーンズランド、南オーストラリア、西オーストラリア、タスマニアの6つの州とその他特別区域で区分されているオーストラリア。日本の約20倍という広大な敷地には、グレート・バリアリーフ、ウルルなどの有名な観光地、世界遺産が点在しています。広大な敷地のため、西側は乾燥した地域で砂漠が存在し、住民は少ない地域です。東側は温暖湿潤な気候により、人口はこの地域に集中しています。
そんなオーストラリアですが、GDPが27年連続で成長を続け、今日、経済が潤っています。また、移民政策などにより今後の人口増加が見込まれる推移を、グラフとともに紹介していきます。
(出典:International Monetery Fund)
オーストラリアの年代別・性別人口推移
(出典:worldometer )
上記のグラフは、年代別オーストラリアの人口推移グラフを表しています。現在、オーストラリアの人口は約2,550万人(出典:worldometer)であり、日本の人口約1億2,602万人(出典:総務省統計局 2020年)に比べ、約5分の1と非常に少ないことがわかります。
しかし、積極的な移民の受け入れにより、移民者が増加しています。その結果、近年にかけて人口増加が著しく、経済にも影響を及ぼしています。また、移民が多いことから異文化への理解が深い国としても知られています。なお、男女比率に関しては女性が若干多いものの、ほぼ同等になります。
オーストラリアの年齢別人口推移
(出典:worldometer)
上記のグラフは1990年と2020年でのオーストラリア全体の年齢別の人口推移を表しています。比較すると全年代で人口増加していること、そして寿命が延びていることが見受けられます。
年齢別に分析すると、特に20~34歳のミレニアル世代と呼ばれる層が、前年代に比べ、増加の激しい結果となりました。この世代が前年に比べて急激な増加を示した理由は、上で述べた移民によるものであると考えられます。
この20歳~34歳のミレニアル世代は、ベビーブームの子世代にあたる世代であり、ネットが普及した環境で育ったため、高い発信力を持ちます。そのため、この世代に積極的なアプローチをすることにより、日本の情報が多く発信されることも期待できます。
また、男女共に中高年の割合も増加していることから、今後リターンを大きく得られるターゲットといえます。中高年は若年層と比較して経済的に余裕があるので、彼らにはまるサービス拡充はインバウンド対策において有効に働くでしょう。
オーストラリアの州別人口推移
州 | 州都 | 2010年 | 2019年 | 伸び率 |
ニューサウスウェールズ | シドニー | 7,238,819 | 8,089,526 | 1.12% |
ビクトリア | メルボルン | 5,547,527 | 6,594,804 | 1.19% |
クイーンズランド | ブリズベン | 4,516,361 | 5,095,100 | 1.13% |
西オーストラリア | アデレード | 2,296,411 | 2,621,680 | 1.14% |
南オーストラリア | パース | 1,644,642 | 1,751,693 | 1.07% |
タスマニア | ホバート | 507,626 | 534,281 | 1.05% |
首都特別地域 | キャンベラ | 358,894 | 426,709 | 1.19% |
北部準州 | ダーウィン | 229,675 | 245,869 | 1.07% |
2010年と2019年で州ごとに人口を比較した結果、一番人口が多い州はニューサウスウェールズ。次いで、ビクトリア、クイーンズランドと東海岸の州が圧倒的に西海岸より多くなっています。
どの州も人口は増加傾向にありますが、特に増加率が大きいのがメルボルンとキャンベラを州都とする、ビクトリア州と首都特別地域になります。先ほども記述した通り移民の受け入れを盛んに行っていることから、各州での人口増加が見受けられ、特に2大都市のあるシドニーとメルボルンには人口が密集している州といえます。
(出典:Australian Bureau of Statistics – Data cubes 2019年 / 2010年)
現在、日本では少子高齢化に伴う人口減少が騒がれています。そんな中、インバウンドの拡大と産業観光に力を入れ、訪日外国人を獲得することによる経済の発展を図ることが課題のひとつとなっています。近年、ターゲットとして有力な国はアジア諸国でしたが、さらなる発展を目指すためにはオーストラリアは注目すべき市場になるでしょう。オーストラリアは南半球に位置していることから、冬季の観光誘致が見込めるうえに、神社仏閣をはじめとする伝統的な建築物からポップカルチャーまで、日本の文化が幅広く愛されていることで知られています。(オーストラリア人が訪日旅行に求めることの詳しい情報についてはこちら⇒「訪日オーストラリア人観光客のインバウンドデータまとめ2020年」)
また、人口増加が著しいオーストラリアは、現在2020年時点で約2,550万人の人口が、2050年には約3,280万人までに達すると予測されています。GDPも成長を続けるオーストラリアの誘致が、今後の日本経済の活性化と地方創生の鍵になりそうです。
(出典:worldometer)
文:深野 真帆