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訪日への足がかりとなるシドニー日本政府観光局主催の商談会が開催

By SCP編集部 in イベントレポート

日本政府観光局(JNTO=Japan National Tourism Organization)が主催する旅行関係者向けの商談会「Japan Road Show 2018(ジャパン・ロードショウ2018)」が、5月22日(火)、シドニー市内のフォー・シーズンズ・ホテルにて開催された。

JNTOシドニー事務所の若林香名所長は挨拶で、年々オーストラリアからの訪日観光客が増加していることに言及し、オーストラリア市場が訪日インバウンドにおいて重要な市場だと強調。また、昨年の訪日観光客数(約500,000人)に触れた上で、今年はオーストラリアからの訪日観光客がすでに約220,000人にも登り、昨年の同時期と比較すると11%ほど増加している、と付け加えた。

この2日前に開催されたウィンタースポーツ愛好者向けの旅行博「Snow Travel Expo(スノー・トラベル・エキスポ)」に続く形で行われたこの商談会には、スノー・トラベル・エキスポにも出展した自治体やホテルなどを含む50以上の団体が参加、近年、オーストラリアの夏季休暇中の旅行先として日本を選び、ウィンタースポーツを楽しむというトラベルスタイルが定着していることから、さらなる成長が見込まれるオーストラリア市場に向けて、日本の最新旅行・観光情報をさまざまなかたちでアピールした。オーストラリアで訪日旅行を取り扱う旅行業関係者に向けてオーストラリアからの訪日インバウンドを促す最善の機会となった。

在シドニー日本国総領事館総領事・竹若敬三氏の挨拶を受ける形でJNTO広報・マーケティング担当のトニー・ファン氏が登壇。オーストラリア人が認知していない日本ならではのアクティビティや観光地にもフォーカスを当てるべきだと語った。日本の冬にウィンタースポーツをするために訪日する傾向が強いオーストラリア市場だが、そのほかのシーズンにも訪日インバウンドのポテンシャルがあるというファン氏の助言に参加者が一様に頷く場面も。続いてスペシャルプレゼンターとして人気料理対決番組「MasterChef 2017(マスターシェフ2017)」のファイナリストになったサラ・ティオング氏がマイクを握り、番組のエピソードを交えながら日本食の素晴らしさについて熱く語った。

参加者のひとりであるオーストラリアの旅行代理店スタッフは「今までオーストラリアの冬季休暇の時期に、日本の夏を商品として売り出すことを考えたことがなかった」と述べ、今回のイベントが日本の冬以外の四季を楽しんでもらうという認知に繋がるものとなった。

プレゼンテーション後は、和気あいあいとした雰囲気の中で商談会が開かれ、出展者と来場者の間で具体的な訪日インバウンドへ向け熱のこもった商談が会場全体で展開された。

今回は自治体やホテルだけではなくユニークな団体も出展。寿司職人体験ができる「うめもり寿司学校」や京都で着物のレンタルができる「夢館」など、個性に飛んだ出展者が来場者の注目を集めた。ラーメン作り体験ができる「ラーメンファクトリー京都」は、実際にラーメンづくりのデモンストレーションをブースで披露し人気を集めていた。

「夢館」のサマー・マンソー氏は「このような訪日インバウンドイベントに参加することは、とても有意義なことだと思います。実際に将来可能性のあるビジネスパートナーを見つけることができたのもそうですが、オーストラリア市場が何を求めているのかという意見も直接聞くことができ、お互いに情報を交換することができました。近い将来、着物を着たいというオーストラリア人が夢館にくることを楽しみにしています」と語った。

 

訪日観光客数だけではなく、滞在日数や消費額も他国に比べて高いオーストラリア市場。そんなオーストラリアは日本にとってすでに大きな市場だが、さらなる訪日観光へのポテンシャルがひしひしと感じられるイベントとなった。

 

取材・原文:Ayla Yuile
和訳:浜登夏海

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