アニメやマンガ、映画、音楽、ゲームなど、日本発のポップカルチャー愛好家が集まる人気フェスティバル「SMASH! Sydney Manga and Anime Show (以下SMASH!)」が、毎年7月に、オーストラリア・シドニーで開催されています。
SMASH!は2007年に開催されて以来、オーストラリア最大級のポップカルチャーの祭典として知られ、10周年を迎えた昨年は初年度のから10倍となる、約20,000人の来場があり、いまやマンガ・アニメのファンだけでなく、多くの業界に影響を与える一大フェスへと変貌を遂げました。
毎年、有名声優やアーティスト、ゲームプロデューサーを招致してサイン会や質問コーナーなどが開催され、来場者は憧れのスペシャルゲストを目の前に大興奮! 特にかわいい声優さんのアフレコ実演では、”萌え死ぬ”人が続出するほどです。
その他にも、日本で開催されるコスプレ世界一決定戦への切符をかけたコスプレ・コンテストや、アニメソング限定のカラオケ大会、そして地元や海外から集まったアイドルやバンドなどによるライブパフォーマンスなど、様々なプログラムが実施されます。
また、「お帰りなさいませ、ご主人様♡」の台詞と共に迎え入れてくれる癒しのメイド喫茶や、マニア垂涎のプレミアグッズの販売、さらには日本政府観光局(JNTO)によるビジット・ジャパン・ブースなど、多種多様なブースは来場者を飽きさせません。
会場内には個性豊かなコスプレイヤーがオーストラリア中から集結。多くのマンガ・アニメが日本で作られているものの、舞台設定が西洋の作品が多いのもあり、オーストラリア人が扮するキャラクターの完成度には驚かされます。また、自慢のコスプレを披露するだけでなく、情報共有やコミュニティ発見の場となっており、新しいムーブメントが生まれる拠点となっています。
近年、世界各地で巻き起こるマンガ・アニメ文化の盛り上がりは、さらに熱を増し、アジアではタイやインドネシア、欧米ではアメリカやフランスでも大型フェスが毎年開催されています。しかし、オーストラリアにおいては、地理的・経済的な有利性から、自国でのフェス開催や参加にとどまらず、本物を求めて文化発祥の地である日本へ実際に渡航する人が多いのも特徴です。
またポップカルチャーが入り口となって、日本文化に興味を持つ人も増えています。実際にアニメ・マンガ愛好家にはストーリーのバックグラウンドをより深く理解したいという動機から、日本語学習者が多く、なかには留学生やワーキングホリデーメーカーとして日本に移り住む人もいるほど。
人気作品も定番のポケモンやNARUTO、ジブリ作品だけでなく、日本でも社会現象を巻き起こした「君の名は」や「進撃の巨人」などの最新アニメ、機動戦士ガンダムのような“クラシック”、そして我々日本人でも知らないマニアックな作品まで幅広く愛されています。
日本のポップカルチャーが持つ可能性は無限大。ここオーストラリアでも、その波及効果は凄まじく、国境や業界の壁を飛び越え、広く、深く、そして永く愛されており、その勢いはとどまることを知りません。SMASH!も今年から会場を、シドニー最大の巨大展示場「ICCS」に移し、さらに規模を拡大して開催することが決定。初開催から10年経つ今もなお、進化するSMASH!に、今後も目が離せません。
SMASH!公式ウェブサイト
https://smash.org.au/
SMASH!公式Facebook
https://www.facebook.com/smashcon/
SMASH!公式Instagram
https://www.instagram.com/smashcon/
文:三好可愛
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