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和牛プロ向けセミナーがシドニーで開催! A5絶品和牛に舌鼓!

By SCP編集部 in イベントレポート

日本畜産物輸出促進協議会による「豪州における和牛プロ向けセミナー」が、1月16日(水)にシドニーのジョーンズ・ベイ・ワーフ(Jones Bay Wharf)にて開催され、オーストラリアのレストラン関係者、流通業者136名を含む238名が来場した。

オーストラリアへの牛肉輸出は、2001年9月の牛海綿状脳症(BSE)発生以降、17年間にわたり停止されていたが、日豪間の協議の末、昨年5月に解禁された。しかし解禁後に和牛の流通が順調に伸びているとは言い難い。和牛は肉質が柔らかく取り扱いが難しいなど、オーストラリア市場に浸透するためにはまだ課題も残っている状況である。

それを受け、今回のセミナーではオーストラリアの流通業者やレストラン関係者などを対象に、和牛の特徴や取り扱い方、調理法を解説する実践的なデモンストレーションが実施された。

はじめにオーストラリアの人気シェフであり、日本政府の日本食普及親善大使でもあるアダム・リアウ氏が、軽快なトークで和牛の特色について説明し会場の雰囲気をウォームアップ。

引き続き主催者である日本畜産物輸出促進協議会理事長の菱沼毅氏が挨拶を述べ、「特別な日のごちそうとして、オーストラリアの人々にもぜひ日本の和牛を食べてもらいたい」と語った。

今回のセミナーに出展した日本の和牛関係業者8団体の紹介の後、再び菱沼氏が登壇し和牛の性質について解説。和牛の持つ独特の香りや肉質などの特徴に加え、生産過程についても詳しく紹介し、血統証明システムや格付けによって和牛の高い品質と信頼性が保たれていることをアピールした。

和牛カットのプロであるミコー食品のミートスペシャリスト、沼本憲明氏による和牛の取り扱いデモンストレーションでは、用意された鹿児島産A5ランク和牛のもも、ランプ、サーロインのそれぞれの部位の肉質に応じたカットや調理法について解説。鮮やかな手つきで肉を切り分けていく流れるような沼本氏の包丁さばきが会場を唸らせた。

沼本氏は「普通ならば赤身の多いももの部位からも霜降りの肉がとれるのが、和牛の特長のひとつ。サーロインのような高級部位以外もとても味わいが良く、価格も安いのでぜひ試してほしい」と会場に呼びかけた。

また、会場からはときおり「和牛の脂の融点は何度か?」「和牛はエイジングビーフのように乾燥熟成させるのか?」などプロの視点からの鋭い質問も投げられ、会場に集まった人々の和牛への関心の高さがうかがえた。

デモンストレーションで使われた和牛はすき焼き、焼肉、ステーキに料理され、試食としてふるまわれると、参加者は部位ごとに異なる食感や味わいを堪能した。また試食と並行して商談会も開催され、日本の和牛関係業者が現地の食品関係者と積極的に商談を進めていた。

今セミナーの参加者でありシドニーでステーキハウスの料理長をしているという男性は、セミナーについて「和牛の性質について学べ非常に良かった。試食のステーキはとても美味しく、シドニーの人にも受け入れられると思う。近いうちに日本の和牛を店のメニューで使ってみたい」と興奮しながら述べた。

また、三重県で伊賀牛を生産・販売する「有限会社精肉のオクダ」の奥田氏は、「オーストラリアの人はとても反応が良く、有望な市場だと思う。現在はシンガポール、香港、台湾をメインに輸出しているが、今後はオーストラリアにも積極的に展開していきたい」と語り、オーストラリア市場の今後について期待を寄せた。

昨年の和牛輸出解禁を受け、今後の成長が見込まれるオーストラリア市場において、今セミナーは和牛を取り扱うレストラン・流通業者が増えるきっかけとなっただろう。今後の動向にも注目だ。

出展者名  所在地
1 伊藤ハム株式会社 兵庫県
2 エスフーズ株式会社 兵庫県
3 有限会社精肉のオクダ 三重県
4 KIRISHIMA RANCH株式会社 宮崎県
5 有限会社丸福商店 岐阜県
6 近江牛輸出振興協同組合 滋賀県
7 JA全農インターナショナル株式会社 東京都
8 讃岐牛・オリーブ牛振興会 香川県

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