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オーストラリアと香港の訪日データ比較

By SCP編集部 in インバウンド/アウトバウンドデータ |

年間の訪日外国人観光客数は2012年より右肩上がりで伸び続け、2018年には始めて3000万人を突破しました。2019年のラグビーワールドカップや2020年のオリンピックの開催地である日本の注目度はますます高まってきており、さらなる観光客数が見込まれます。

アジア圏の観光客数は特に多く、香港からは2018年に2,207,804人が日本を訪れました。また来訪者のうち8割以上がリピーターである香港は、日本にとって重要なインバウンドターゲット国の一つとして見られています。

一方オーストラリアも年々訪日外国人観光客数が増加しており、その滞在期間の長さや旅行中の消費額の高さから、注目すべき新たなターゲット国として認識され始めています。

本記事では、訪日オーストラリア人と訪日香港人の旅行動向を比較分析し、それぞれの特徴を見ていきます。

訪日観光客数の比較

観光客数の推移

始めに訪日オーストラリア人と訪日香港人それぞれの観光客数の推移を見ていきます。


出典:日本政府観光局(JNTO)

 

両国とも訪日観光客数は年々増加傾向にあります。香港は2017年から2018年にかけてやや訪日観光客数が若干落ち込みましたが、それでも2018年の2,207,804人という数値は全体的に見て、中国、韓国、台湾に次ぐ第4位に位置しています。

一方オーストラリアも2018年には55万人を突破し、今後も増加していくことが予想されます。ヨーロッパ諸国に比べ日本へ行きやすいこともあり、日本は人気の訪問先の一つとなっています。今後は観光客数の多いアジア圏だけでなくオーストラリアが新たなインバウンドターゲット国となるでしょう。

性別比較

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

訪日観光客の性別を各国で比較してみると、対照的な結果が見て取れます。オーストラリアが61.4%と男性のほうが多いのに対し、香港は56.7%で女性が過半数を占めています。これらの違いの要因は、後述する滞在目的から推測することができます。

年代別比較

次に年代別でオーストラリア・香港の違いを見ていきます。


出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

 

オーストラリアは20代が突出して多くなっているのに対し、香港は20代から40代と幅広い年齢層が訪れていることがわかります。オーストラリアの20代以外に向けたプロモーションを工夫していくことによって、さらなるインバウンドの可能性が広がります。

 

 

訪日観光客の消費動向

滞在期間

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

滞在日数をもとに比較をしてみると、香港は1~2週間の滞在が多いのに対し、オーストラリアは7日間から20日間の長期滞在が多いことが読み取れます。また平均滞在は香港が6.3泊、オーストラリアが13.3泊と2倍以上の結果になっています。これらのことからも、オーストラリアが日本にとって魅力的なインバウンドターゲットであると言えます。

滞在目的

オーストラリア 香港
1位 日本食を食べること(85.4%) 日本食を食べること(72.5%)
2位 自然・景勝地観光(60.1%) ショッピング(61.0%)
3位 日本の歴史・伝統文化体験(54.9%) 自然・景勝地観光(51.8%)
4位 ショッピング(54.4%)  繁華街の街歩き(42.0%)
5位  繁華街の街歩き(52.4%) 温泉入浴(30.6%)

出典:平成30年観光庁「訪日外国人消費動向調査」

両国とも「日本食を食べること」が第一位にランクインしており、日本食の高い人気がうかがえます。

2位以降の回答を見てみると、オーストラリアと香港の違いが見えてきます。オーストラリアが「自然・景勝地観光」「日本の歴史・伝統文化体験」が第2位、第3位にランクインしているのに対し、香港は「ショッピング」や「繁華街の街歩き」が上位にランクインしています。

ショッピングなどの「モノ消費」をより好むのが香港、日本でしかできない伝統文化の体験などの「コト消費」を好む傾向にあるのがオーストラリアだと言えます。とくに訪日香港人は旅行中に衣類や化粧品などを好んで購入していることもわかっています。これらの結果を考えると香港の訪日観光客数が女性のほうが多い理由にもうなずけるのではないでしょうか。

一人当たりの消費額

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

次に一人当たりの消費額を見ていきましょう。

香港の消費額の割合が全体と同様の結果であるのに対し、オーストラリアは全ての項目において消費額が高くなっていることがわかります。計242,041円というオーストラリアの数値は他国と比べても最も高い数値を誇っています。またグラフから読み取れるように宿泊費に約10万円を充てており、これは訪日オーストラリア人の消費動向の特徴の一つとして述べることができます。

ハイシーズン比較

出典:JNTO 日本の観光統計データ「2018年月別国・地域ごとの訪日外客数の推移」

月別で訪日観光客数を比較していきます。

香港を見てみると、9月の訪日観光客数が極端に落ち込んでいますが、これは2018年9月の台風の影響や、それに伴う関西国際空港の閉鎖などの影響が大きいと推測できます。

香港のピークが7月であるのに対し、オーストラリアは7月、8月の訪日観光客数が最小値になっています。日本のサマーシーズンにおいての誘致がオーストラリアのインバウンドプロモーションをする上での課題だと言えます。

 

 

訪日旅行後の影響

ここではオーストラリア・香港の訪日旅行後の影響について比較していきます。

満足度調査

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

満足度調査では訪日香港人の41.4%が「大変満足」、54.5%が「満足」と答えました。それに対し、訪日オーストラリア人は83.8%が「大変満足」15.6%が「満足」と回答しており、訪日香港人よりも満足度の高さがうかがえます。

これを確実なリピーターにつなげていくことが今後のインバウンドを考える上で重要になってきます。

日本への再訪意向

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

両国とも「必ず来たい」「来たい」と回答した人の割合が9割を超えており、非常に良い結果と言えます。

リピーター

 

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

来訪回数を見てみると、香港は2回目~9回目の来訪が58.1%、10回目~20回以上の来訪が27.6%と非常に高い来訪回数を誇っています。これには香港から日本への行きやすさが理由として挙げられます。

一方、オーストラリアは58.8%が初めての訪日であることがわかります。この数値を今後リピーターへとつなげていくことができれば、香港などのアジア圏以上に日本に経済効果をもたらす可能性があるでしょう。

情報収集源

ここでは、訪日外国人観光客が旅行前にどのように情報を収集しているのか、また旅行中にどのような情報が役に立ったのかを見ていきます。

オーストラリア
訪日旅行前 訪日旅行中
1位 口コミサイト(トリップアドバイザー等)(41.9%) 無料Wi-Fi(61.5%)
2位 自国の親族・知人(32.1%) 交通手段(55.3%)
3位 宿泊施設ホームページ(30.6%) 宿泊施設(35.8%)
4位 動画サイト(Youtube/土豆網等)(25.0%) 観光施設(35.6%)
5位 日本在住の親族・知人(22.1%) 飲食店(32.7%)

 

香港
訪日旅行前 訪日旅行中
1位 個人のブログ(30.0%) 交通手段(55.9%)
2位 日本政府観光局ホームページ(25.4%) 観光施設(41.1%)
3位 旅行専門誌(22.5%) 飲食店(38.8%)
4位 SNS(Facebook/Twitter/微信等)(21.8%) 宿泊施設(36.8%)
5位 宿泊施設ホームページ(18.2%) 無料Wi-Fi(29.4%)

 

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向報告書(第2編)」

訪日香港人の旅行前の情報収集源として政府や施設が発信するホームページや旅行専門誌などを多く利用していることがわかります。

これに対し、訪日オーストラリア人は口コミサイトや自国、日本在住の親族・知人などといった訪日経験者から情報を得ていることがわかります。どちらの国もまずは日本の魅力を知ってもらうための情報発信を効果的にしていく必要があります。

訪日旅行中に役に立った情報を見てみると、順位は違うものの、同内容のものがランクインしています。またオーストラリアの第1位である「無料Wi-Fi」と香港の第1位である「交通手段」は他国のランキングにも常に上位であり、いかにこれらの情報が訪日外国人観光客にとって重要かがわかります。

今後これらの情報を主要都市のみならず、地方でも充実させていくことで、よりインバウンドの可能性は広がります。

 

 

まとめ

訪日オーストラリア人と訪日香港人の旅行動向を分析したところ

  • 訪日オーストラリア人と訪日香港人の観光客数は増加傾向にある。今後目の離せない重要なインバウンドターゲット国である。
  • オーストラリアは平均泊数が長く、一人当たりの消費額が全体に比べ最も高い
  • 両国とも訪日旅行への満足度や再訪意向は非常に高く、とくに香港のリピーター率はきわめて高い
  • 訪日観光客の属性として共通点と相違点があり、それぞれの国の旅行動向にあったインバウンドプロモーションを行う必要がある

以上4点がオーストラリアと香港のインバウンドを考える際に重要な要素だと言えます。

インバウンドを考える際にはこの様なターゲットの旅行動向を分析し、より効果的なアプローチ戦略を練ることが重要です。

オーストラリアでのインバウンドプロモーションに関するご不明な点やご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

この記事を書いた人:柳  花歩
和歌山県出身。津田塾大学で翻訳と教育学を学んだのち、英語教師として就職。現在はワーキングホリデーでシドニーに滞在中。

 

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