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2020年8月訪日オーストラリア人数データまとめ

By SCP編集部 in ツーリズムデータ |

米国ジョンズ・ホプキンス大学は923日、新型コロナウイルス感染症の累計感染者が世界で約3,140万人を超えたと発表。そのうち死者は全世界で約96万人にも昇る。北半球では、冬の到来が近づく中、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が危ぶまれており、特にヨーロッパ諸国ではここ2週間の間で新規感染者が急増。若者の間で感染が広がっているが、感染による重症化リスクが低い若年層よりも高齢者などへの感染拡大が懸念されている。

各国で収束の糸口としてワクチンの開発が急ピッチで進められているが、同時にワクチン確保に向けた競争も激化している。ワクチンの供給が財政的に豊かな先進国に偏ることも懸念されており、既に富裕国が予想供給量の半分以上を買い占めたという報告もある。経済力の乏しい発展途上国にも安定してワクチン供給ができるシステムを確立するために早急な対応が求められている。

そんな状況の中、918日に日本政府観光局は20208月の訪日外客数は8,700人だったと発表(前年同月比99.7%減)。11カ月連続で前年同月を下回ったが、日本での検疫強化や査証の無効化の継続、そして各国でも引き続き海外渡航制限などの措置が取られている現状ではこの数字も致し方ないだろう。

日本政府観光局(JNTO)訪日外客数の集計・発表

https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/200918_monthly.pdf

923日、日本政府は感染症対策の一環である水際対策を来月初めに一部緩和する方向で調整を進めていると明らかにした。これが実現すれば、全世界からの入国が条件付きで再開する。主な対象は3カ月以上の中長期の滞在者(観光客を除く)で、入国枠は11,000人程度に限定。出入国時の検査、そして入国後の2週間隔離は継続して義務付けられる予定だが、この緩和措置は国際的な往来再開への第一歩だと言える。

8月の訪日オーストラリア人は90人(前年同月比99%減)。感染が再拡大していたビクトリア州だが、914日に確認された新規感染者は35人にとどまり、約3カ月ぶりに落ち着きをみせた。これを受け、州都メルボルンでは7月初旬から続く厳しいロックダウン(都市封鎖)が一部緩和されたが、この措置を中止するよう求めるデモ隊と警察官が衝突する事態も起きている。渡航制限解除の時期についてはまだ見通しが立っていないが、モリソン首相は95日、クリスマスまでに州境を開放することを目処にほぼすべての州と準州と合意したと発表したことで、国内旅行自由化に向けた動きが加速化している。

JNTOシドニー事務所田中所長のコメント

オーストラリア人の旅行マインドに関して申しますと、ちょうど第一波が落ち着いた頃に、第二波が到来し、多くの方が国内旅行をキャンセルせざるを得ない状況に陥りました。長引く州境閉鎖もありますが、最近ではビクトリア州を除いた各州では、感染者数も落ち着いてきましたので、国内旅行の意欲がより高まっているように感じます。今年のクリスマスを目途に州境が解放されるという発表もありましたので、これが確実になった段階で、国内旅行は一気に盛り上がりを見せるのではないでしょうか。国際観光再開の見通しはまだ不透明ですが、プロモーションを実施するのに時期尚早ということは決してありません。継続的なアプローチにより、現地事業者と信頼関係を築いていただく良い機会だと思います。訪日旅行が再開された際には、構築いただいたネットワークを基に、ファムトリップの誘致や旅行商品造成へ発展するなど大いに考えられますので、継続的な情報交換は大切です。

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