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2021年6月訪日オーストラリア人数まとめ/オーストラリアのコロナ現況と今後の国境再開について

By SCP編集部 in 速報 |

従来のコロナウイルスに比べて感染力の強いデルタ株が世界各地で猛威を振るっている。このデルタ株は重症化や致命率など未だ不透明な部分が多く、コロナのワクチン接種によるその感染予防効果も十分に明らかになっていない。現在も過去最悪のペースで拡大を続け、コロナ対策が比較的に成功していた国でも、マスク着用やコロナ規制を再導入するなど、この新たなウイルスへの対応に追われている。国境閉鎖や渡航禁止令など厳しい措置によって、コロナの感染拡大を抑制してきたオーストラリアも例外ではなく、ロックダウンや外出禁止令などの厳しいコロナ規制が導入されている。

 

 

オーストラリアのコロナ現況

去年3月にオーストラリア国民や永住権者を対象に海外渡航禁止令を発令したことに加え、国境封鎖やロックダウンなどの厳しい感染拡大防止策を講じたことで、国内の一部ではコロナ流行前の生活をほぼ取り戻しつつあった。しかし、6月中旬にオーストラリア最大都市シドニーで発生したデルタ株の集団感染を機に国内の他都市でも感染が拡大するなど、いくつかの州では、再びロックダウンが導入され、特に最も深刻な状況に見舞われているシドニー大都市圏では、この措置が8月下旬まで延長されることが決定した(8月5日現在)。オーストラリア国内におけるコロナのワクチン接種ペースは他国に大きく遅れを取っており、これが感染爆発の一因だとも言われている。連邦政府はこうした危機的状況を受け、コロナのワクチン供給の加速化を図ると表明したが、国民の間では連邦政府や州政府に対する不満の声が高まっていることも事実だ。そうした中、オーストラリアの主要都市であるシドニーとメルボルンではコロナ関連規制の厳格化に抗議するデモが勃発し、特にシドニーでは、数千人規模のデモへと発展。その結果、警察とデモ隊が激しく衝突するなど、数十人の逮捕者が出ている。新たな大規模デモ発生が危惧されることに加え、デモ参加者の多くはマスク未着用で、叫びながら抗議を続けていたため、この事態が更なる感染拡大を引き起こすのではないかと懸念されている。

オーストラリアの国境再開について

長らく封鎖されていたオーストラリアの国境は、ニュージーランドのみ開放されていたが、オーストラリア国内での急激な感染者数増加を受け、現在両国間の行き来は停止している。オーストラリア政府は当初掲げていたワクチン接種完了の予想時期を2021年末に後ろ倒したことから、国境の大幅な再開時期は2022年中旬頃になるだろうとの見解を示している。また、オーストラリアの最大手航空会社であるカンタス航空も、10月31日から予定していた国際線の本格的な運行再開の時期を12月下旬に先送りした。今年6月にオーストラリアとシンガポールの両首脳は、学生を優先対象としたトラベルバブル開始について協議を進めていたが、現在両国ともコロナの感染拡大の歯止めがかからないことから、国境の再開はまだ目処が立たない状況である。

2021年6月訪日オーストラリア人数

日本政府は11月1日からオーストラリアを「上陸拒否および上陸時のPCR検査受診対象指定」から一旦解除したが、現在は上陸時のPCR検査などが再び必須となっている。そのうえ、コロナの感染対策として、14日間の隔離措置、そして査証免除措置適用の停止を講じており、オーストラリア政府も国境を跨ぐ海外渡航禁止措置を継続しているため、2021年6月の訪日オーストラリア人数は100人に留まった(前年同月比99.7%減)。また、オーストラリア国内でコロナの変異種ウイルスが確認されたことを受け、誓約書の提出や検疫強化の対象でもある。

JNTOシドニー事務所田中所長のコメント

「大きな取り組みこそなかった6月でしたが、JNTOシドニー事務所では現地エージェントの方向けにニュースレターを配信しています。コロナ前は隔月配信でしたが、昨年からは毎月配信に切り替え、訪日再開に向けての情報発信と継続したコンタクトを目的としています。アーカイブはhttps://www.japan.travel/en/au/travel-trade/newsletter/からご確認いただけますので、ご参照ください。現在、オーストラリアではデルタ株による感染拡大を受け、ワクチン接種が加速しています。

渡航解禁についての目途はなかなか立たない中ではありますが、国内ではオリンピックを通じて、日本に関する好意的な報道が多く流れているため、日本への興味関心も高まっています。今後もJNTOシドニー事務所ではこのような状況を捉えながら、継続的な情報発信を実施して参ります」

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