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オーストラリア市場で認知を拡大する方法

By SCP編集部 in オーストラリアでのプロモーション

訪日外国人数の伸びとともに、日本国内ではインバウンド事業が盛り上がりを見せています。アジア諸国を筆頭に、欧米豪などをターゲットとする団体や企業も増えており、なかでも長期滞在と高い支出額といった傾向をもつオーストラリア人への注目は高まるばかり。訪日オーストラリア人数も毎年増えていることから、インバウンド事業者にとって、オーストラリアは魅力的なマーケットと認識されはじめています。

そのため、オーストラリア市場に参入しようと検討している団体や企業も増加傾向。しかし、海外から参入するにはさまざまな課題があり、特にオーストラリア人の日本に対する認知度の低さは大きな課題となっています。

オーストラリアにおいて、日本は人気の旅行先であるものの、多くのオーストラリア人は日本に対して漠然とした知識しか持っていません。ですが、これは大きなチャンスと捉えることができます。明確な目標を立て、認知度を上げるための有効なプロモーションを実施していくことで、オーストラリア市場で大きな成功を収めることが期待できるからです。

そこで、今記事ではオーストラリア市場で認知を拡大する方法についてご紹介いたします。

認知拡大の主な方法

認知を拡大するには主に4つの方法があります。

広告

認知度を上げる一番スピーディで確実な方法は広告を配信することです。

オフラインのTVや新聞などのマスメディア広告ではさまざまな層の消費者に幅広く広告を届けることができます。広告の出稿先の読者層や発行部数、料金などの事前調査により、自社にとって有益な媒体を選ぶといいでしょう。

一方、オンラインを活用した広告ではターゲットを絞って認知させることができるため、的確にターゲット層に浸透させることができます。絞りこんだターゲットの趣向や好みの調査することが重要です。

イベント

PRイベントへの出展などにおける最大の利点は、顧客と直接会話できることです。認知を広げたい商品やサービスの詳細をダイレクトに伝えることができるため、印象に残りやすいというメリットがあります。またイベントに来るオーストラリア人は、もともとそのものごとに関心が高い人たちですから、優良な見込み客を得やすいという点も見逃せません。

オーストラリア市場に参入しようと検討しているインバウンド事業者は、「World Travel Expo」や「Matsuri Japan Festival」などへのイベント参加がおすすめです。

→オーストラリアでのインバウンドにつながるイベントについて詳しく知りたい方へ
【インバウンド】訪日観光客誘致に繋がるオーストラリアでのPRイベント・展示会4選

PR

PRとは、パブリックリレーションズの略であり、一般に対して広く告知する行為を通して実施するプロモーションのこと。プレスリリースや記者会見を使ってユニークな取り組みを発信し、メディアに取り上げてもらう方法が一般的です。最近では、YouTubeなどSNSを使ったPR活動もとても盛んで、効果的な認知拡大の方法として人気が集まっています。

費用をあまりかけずにメディアに露出できること、制約が少ないためクリエイティビティを発揮しやすいことなどメリットが複数ありますが、広告と異なりコントロールすることが難しく、メディアに取り上げてもらえるかどうかは相手次第といった不確実性も持ち合わせています。

販売促進

販売促進はセールスプロモーションとも呼ばれ、上記3つに当てはまらないさまざまなプロモーション手段を指します。

例えば、サザンクロス・プロモーションズが運営する「G’Day Japan!」では、販売促進としてオンラインクーポンや懸賞キャンペーンなどを実施しています。消費者に具体的なメリットがあるため、オーストラリア人の興味関心を強く引くことができ、前述した3つの方法と組み合わせると大きな成果を生み出すことも可能です。

 

どのようなオーストラリア人に向けて認知度をアップさせたいか、オーストラリア市場に参入する目的は何かなどを明確にしたうえで、これら4つの方法を効果的にミックスしプロモーションすることで、オーストラリア市場での認知拡大を図れます。

 

認知度を測る指標

 

認知度といっても、消費者がどのくらい商品やブランドなどについて理解しているかはまちまちです。そのため、認知拡大を目指す場合は、何をもって認知度とするかを定義し、目標を設定する必要があります。ここでは、認知度を測るための4つの指標をご紹介します。

純粋想起率

純粋想起とは、あるカテゴリ―を与えられたときにノーヒントで特定のブランドを思い起こすことをいいます。例えば、オーストラリア人に日本の都市について尋ねたら、東京、大阪、京都といった有名観光スポットが思い出されるでしょう。これが純粋想起です。ノーヒントで想起される商品・ブランドは非常に高いブランド力を持っているといえます。純粋想起率は、自社の商品・ブランドについて純粋想起をする人の割合のことです。

助成想起率

助成想起は、あるヒントが与えられたときにその商品・ブランドを認識できることをいいます。人気のスキーリゾートであるニセコや白馬の名前がヒントとなることで、「日本」を思い出すオーストラリア人は多数いるでしょう。新しい市場に参入する場合、まずこの助成想起をしてもらえる立ち位置にすることが大切です。

多くのオーストラリア人は事前に情報収集をし、それらを比較検討しながら最終的な購買へと至ることから、インバウンド事業においては助成想起率を高めておくことで、彼らが情報収集をする際に観光地やサービスに目を留めやすくすることができます。

純粋想起率、助成想起率ともにアンケート調査を使って計測されることが一般的です。

サザンクロス・プロモーションズが運営する懸賞キャンペーンは、プロモーションと同時にアンケート調査も兼ねることができます。

リーチ数

広告を使って認知拡大を図る場合、広告がどれだけの人に見てもらえたかを表すリーチ数は、実施したプロモーションの効果を知るうえで重要な指標となります。特にオンラインでは実数値として取得可能です。ただし、広告をたくさん配信してリーチ数を増やしても、その広告の印象が薄く消費者に残らなかったら、認知拡大したとはいえません。リーチ数を見て認知度を測定する場合は、この点に注意しましょう。

トラフィック数

自社のウェブサイトを持っている場合は、ウェブサイトへのトラフィック数も認知度を測る指標となります。特に認知拡大のためのプロモーションを継続的に行う場合、長期に渡って測ることができるトラフィック数は便利な指標といえるでしょう。多くの企業は、普段から自社ウェブサイトへのトラフィックを測定していると思いますので、認知度測定のための追加コストを抑えられるという利点もあります。

 

認知拡大の方法

ターゲットを絞る

認知度を高めるためのファーストステップは、ターゲットを絞ることです。ターゲットを絞らず「みんな」をターゲットにすると、伝えたいメッセージがぼやけ、誰のハートにも響かなくなってしまいます。また、多数のターゲット層にメッセージを届けようとすると、TVなどのマスメディア広告の力が必要となりますが、これにもある程度ターゲットを絞った方が費用対効果が高いでしょう。

自社の商品を気に入ってくれそうなターゲットに絞ってプロモーションを行うことで、そのターゲットが共感できるメッセージを的確なコミュニケーションチャネルで送信できることで多額な予算をかけずとも効率的に認知度をアップさせていくことができます。

→オーストラリアのターゲットについて詳しく知りたい方へ
サザンクロス・プロモーションズがおすすめするターゲット別の最適なプロモーションの方法

提供する価値を強く打ち出す

第2のステップは、自社の商品・サービスが顧客に対してどのような価値をもたらすかを明確に打ち出すことです。

新しい市場に参入するときは、あなたの商品・サービスを顧客は理解していません。そのような状況で必死に商品やサービス名、会社名を覚えてもらおうと奮闘しても無意味でしょう。それよりも、あなたの商品・サービスによってどのような経験を得ることができるか、ほかにはないメリットや特徴があるかを理解してもらうことが大切です。

インバウンド事業に関しても同様で、地域名を強調するより、その地域に訪れたくなる魅力的な価値を考え打ち出しましょう。

SNS、広告で認知を広げる

新しい市場において認知度を高めるために効果的なメディアは、SNSです。特にオーストラリアでは79%の人がSNSを利用しており、世界有数のSNS利用国といえます。また59%のオーストラリア人が日々SNSを利用していることから、SNSを活用すれば、彼らとタッチポイントをたくさん確保でき、認知拡大につなげることができます。ただし、オーストラリアでよく使われているSNSと日本で人気のSNSは大きく異なるため、認知拡大の手法にSNSを利用する場合は注意しましょう。

出典:https://www.sensis.com.au/about/our-reports/sensis-social-media-report

また、コストは多少かかりますが、広告も認知度アップの有効な手段です。広告手段は豊富にそろい、なかでもWeb広告は比較的低コストで利用できます。そのうえ、細かいターゲティングによりピンポイントで潜在顧客に届けやすいことや、費用対効果がわかりやすくPDCAサイクルを回しやすいといった利点があります。これらのプロモーション施策を組み合わせることで、認知度の向上がのぞめます。

 

シェア・口コミを生み出す

最後のステップは顧客を巻き込み、シェア(ウェブサイトやSNS等の他人のコンテンツを自分のコンテンツから拡散すること)や、口コミを数多く生み出すことです。シェアは、自社のSNSや広告だけではリーチできない層にまでメッセージを届けることができ、認知拡大に大きな効果をもたらします。そのためには、思わずシェアしたくなってしまう魅力やストーリのあるコンテンツをつくることが重要です。

後述で紹介する2つのキャンペーン事例は、オーストラリアでバズを創出し、認知拡大に大きく貢献しました。これらのような魅力あるコンテンツをつくることが、認知拡大を目的としたプロモーションを大成功に導く鍵となります。

参考:https://growthrocks.com/blog/build-brand-awareness-for-startup/

 

 

オーストラリアでの認知拡大キャンペーン

最後に、オーストラリア国内で反響の大きかった認知拡大キャンペーンをご紹介します。

カンタス航空のウェブメディア「AWOL」

オーストラリアを代表する航空会社・カンタス航空は、自社が運営する若者向け旅行ウェブメディア「AWOL」の認知拡大を目的として、2017年にInstagramを利用した広告キャンペーンを実施しました。

キャンペーンのターゲットは18~34歳という若い世代の男女。15秒以内の短い動画を投稿できるストーリーズ機能を使い、印象的な旅の風景動画を配信する広告スタイルで展開されました。

スマートフォン向けに作られたこの動画広告は、1か月でリーチ数を195万と伸ばし、ターゲット層全体のブランド認知度(助成想起率)を3%上昇させるといった大きな反響を呼びました。

参考:https://business.instagram.com/success/qantas?locale=ja_JP

オーストラリアサッカー連盟
“You’ve Gotta Have a Team”キャンペーン

サッカーはオーストラリアでもプレイ人口が多く、人気のスポーツです。しかし、オーストラリアのプロリーグであるAリーグはファン数の伸び悩みを見せていました。そこで、オーストラリアサッカー連盟(FFA)はファン獲得のため、” You’ve Gotta Have a Team”と題したキャンペーンを2016年に行い、大成功を収めました。

このキャンペーンは、サッカー好きだが特定のチームのファンになっていない少年「ヨシ」が主人公で展開されています。ヨシをさまざまなチームに連れていき、最終的にどのチームのファンになるかを決めてもらうまでの過程を、FFAだけでなく各チームのSNSやTVを通して発信していくものでした。

ヨシが選手たちと交流しながらいろいろなチームを巡る旅の様子は、オーストラリアのサッカーファンのハートをつかみ、このキャンペーンに関するSNSの投稿は400,00以上、試合の平均観客数は前年に比べ34%増加しました。

参考:https://www.cmo.com.au/article/615941/telling-story-helps-football-federation-australia-build-brand-awareness/

 

まとめ

オーストラリアでの認知拡大のためには、的確な目標設定、ターゲット選定、そしてそれに合わせた効果的なプロモーションが鍵となります。今記事で紹介したフレームワークなどを駆使しながら、認知度アップにぜひ挑戦してみてください。

サザンクロス・プロモーションズは、オーストラリア市場でのマスメディア広告、Facebook広告、インフルエンサーマーケティングなど、さまざまな実績とコネクションをもっており、オーストラリアにおけるプロモーションをサポートしています。オーストラリア市場でのプロモーション、広告について興味がある方や相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

 

この記事を書いた人:山口 宙大
北海道出身。一橋大学商学部にてマーケティングを専攻中の大学3年生、現在はニューサウスウェールズ大学に交換留学中。趣味はサイクリングとアウトドアグッズ収集。

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