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年齢別にみる最適なプロモーション方法

By SCP編集部 in オーストラリアでのプロモーション

訪日外国人観光客の増加に伴い盛んになる日本のインバウンド市場ですが、そのターゲットとして注目されつつあるのがオーストラリアです。長期滞在高い消費額という訪日オーストラリア人の傾向により、すでに観光で潤っている地域のみならず、これからインバウンド事業に取り組もうと考えている地方の自治体や企業からも注目を集めています。

しかし、ひと口にオーストラリア市場といってもそのニーズはさまざまであり、効果的なプロモーションや広告手法も単純ではありませんそのため、オーストラリア市場で認知度を高めていくためには、それぞれの年齢層に効果的なアプローチを理解する必要があります。

 

ジェネレーショナル・マーケティング

ジェネレーショナル・マーケティングとは、世代による価値観の違いを考慮したマーケティング手法のことです。日本では世代ごとのマーケティングなどと呼ばれています。

欧米やオーストラリアでは、同じ世代の人々は生まれ育った時期の社会情勢により、似たような価値観や生活様式を持っているとされ、消費者を生まれた年によって大きく4つの世代に分けて考えられています。

出典:Visual Marketing Australia「The Complete Guide To Generational Marketing」 March 9, 2018

50代~70代の特徴

 

1946年~1964年に生まれた、現在50代半ばから70代の人は「ベビーブーマー」世代と呼ばれ、オーストラリアの人口の約22%を占めています。これは日本における団塊世代に相当し、退職前後または、セカンドライフを目前にしている世代です。

この世代の特徴は、テレビ、雑誌、新聞などのマスメディアを好み、SNSの利用者は少なめです。フェイスブック(Facebook)などSNS(Social Networking Service)のアカウントを持っているものの、その多くは家族や友人と連絡を取り合うために使い、SNS上の広告に対してはあまり興味を示しません。店舗などに足を運び、実際に店員と話して購入を検討することをむ傾向にあります

出典:KASASA「Alphabet soup: Boomers, Gen X, Gen Y, and Gen Z explained」

40代後半~50代前半の特徴

1965年~1979年に生まれ、現在は40代後半から50代の働き盛りの世代を、「ジェネレーションX」といいます。日本ではいわゆる「新人類」「団塊ジュニア」と呼ばれる世代にあたり、オーストラリアでは人口の約20%を占めています。

この世代は、下の若者世代と同じく頻繁にSNSを活用し、特にフェイスブックやビジネス向けSNSであリンクインをよく利用します。また、仕事人間が多い上の世代に対し、ジェネレーションXはプライベートや家族を大切にするのも特徴です。

情報収集の傾向としては、マスメディア、デジタルメディアの両方を使いながら、さまざまな情報源を参考にし、慎重に意思決定します。そのため、この世代をターゲットと定めるなら、信頼できる情報をオンライン、オフラインの両方で発信していくといいでしょう。

出典:Cropley Communications 「Marketing to Generation X: six do’s and don’ts」

20代後半~30代前半の特徴

1980年~1994年ごろに生まれた世代を「ジェネレーションY」といい、オーストラリア人口の約22%を占めます。日本では「ゆとり世代」「さとり世代」とも呼ばれています。この世代はインターネットの発達とともに育ってきたため、情報への感度が高く流行に敏感です

テレビや新聞などのマスメディア広告への信頼度は低く、口コミやネット上のレビューといったユーザーの意見を重視します。また、モノよりもコト(経験)を重視する傾向をもっています。この年齢層がターゲットにする場合は、口コミやレビューなどを数多く集め、その地域で体験できるコトがいかに魅力的かをプロモーションすることが重要です。

出典:Search EnginePeople「Gen Y: How To Target The Largest Consumer Group In History」

10代~20代前半の特徴

1995年~2010年ごろに生まれた世代は「ジェネレーションZ」といわれ、人口の約18%を占めています。彼らの多くはまだ学生であり、経済力のある年齢層ではありませんが、将来の潜在的な顧客グループとして注目を集めている世代です。オーストラリアのこの世代の特徴は、教育水準が高く大学進学率が50%を超えていることです。また、訪日する観光客数はこの年代の人たちが多いことが挙げられ、インバウンド事業においては、非常に重要なターゲットです。彼らは小さい頃からスマートフォンやSNSに慣れ親しんで育っており、複数のSNSを目的に合わせて使い分けています。

例えば、インスタグラムで自分の欲しいものをチェックし、ユーチューブで使い方や使用者のレビューを見て購入を決め、購入後の感想をツイッターでつぶやいてシェアします。

このようにさまざまなSNSを巧みに使うジェネレーションZですが、フェイスブックにはあまり関心をもっていらず、手軽に写真を送りあうことができるインスタグラム(Instagram)スナップチャット(Snapchat)が、この世代にとても人気です。

出典:
Businessinsider 「Generation Z is already moving away from Facebook, and 6 more industries could be next」CMO from IDG 「 In depth: The art of dealing with Generation Z」Mccrindle「Australia’s Population Map and Generational Profile Update」

 

 

年齢層別の効果的なプロモーション手段

50代~70代

この年齢層は、オンライン広告よりもマスメディア広告を好む傾向をもっています。そのため、おすすめのプロモーションは雑誌広告への掲載です雑誌広告は、雑誌ごとに細かくターゲット層が分かれており、届けたい層に確実に広告を読んでもらうことができます。

また、雑誌はほかのメディアと異なり、長く保管でき何度も読み返すことができるため、長期的な広告効果が期待できます。オーストラリアでは、『Luxury Travel』『Vacations & Travel』が高年齢層、富裕層向けの旅行雑誌として有名です。

また、特定のセグメントではなく幅広い人たちにアピールして認知度を高めたいならば、新聞広告も効果的です。例えば、オーストラリアで最も人気のある新聞『シドニー・モーニング・ヘラルド』土曜版では、旅行特集を掲載しており、旅行に興味のある幅広い層にリーチすることができます

そして、旅行や日本に関連のある関係するイベントに出展することも、オーストラリアのこの世代への認知度アップにつながるプロモーション手段として非常に有効です。

べビーブーマーは、人とのコミュニケーションにより、購入の意思決定をする傾向が強いため、こうしたイベントで直接と接することは大きな強みです。しかし、イベントは大都市で開催されるため、それ以外の地域へのプロモーション効果が低いことが難点です。

40代後半~50代前半

SNSを積極的に使いこなす30代後半~40代にアピールする最良の方法は、フェイスブックを使った広告です。オーストラリアでは、非常にフェイスブックの人気が高く、この世代の75%の人がフェイスブックアクティブユーザーとなっています。

フェイスブック広告は、年齢や趣味、興味、関心などから細かくターゲット設定ができ、興味がありそうな顧客にダイレクトに広告を届けられることが特徴です。そのため、マスメディアを使った広告に比べ、高い費用対効果が期待できます。

また、オーストラリアのこの世代は、ダイレクトメールやクーポンに対して強く反応します。この層をターゲットにする際には、ウェブを使った懸賞キャンペーンクーポンといったプロモーション施策も視野に入れるといいでしょう。

出典:Visual Marketing Australia「 The Complete Guide To Generational Marketing」

20代後半~30代前半

20代後半~30代前半の人々に対してプロモーションをする際に、新聞やテレビなどのマスメディアではなく、インスタグラムフェイスブックいったSNSに重点を置くことが大切です。前述したように、彼らはマスメディアを通して発信される広告にはあまり好意的ではなく、自分と同じ目線で商品を評価する口コミやレビューを好みます。そのため、彼らにアプローチする際にはSNSを用いたインフルエンサーマーケティングが有効です。

また、フェイスブック広告もこの世代に対しては効果的です。デロイトオーストラリアによる調査では、20代後半~30代の80%がフェイスブックを日常的に利用しており、50%以上がSNS上の広告によって購入を決定することがあると答えています。

出典:Deloitte.「Media Consumer Survey 2017」

フェイスブックと同じように、年齢や趣味で細かいターゲティングができるグーグル広告もおすすめです。こちらも特定のキーワードで検索した人を対象に広告を表示できるため、関心がある人届き、高い費用対効果が望めます。彼らをターゲットにしてプロモーションする場合に抑えておきたいポイントは、モノよりも経験を重視するということ。この世代をターゲットに訴求するには、単純に金額面でのお得さをアピールするよりも、地域や自社の商品・サービスでどのような経験を得られるかにフォーカスした広告を打ち出すことが重要です。

10代~20代前半

スマホやSNSとともに育ってきたこの世代に対してアピールする番の方法は、やはりSNSを使った広告です。特にビジュアルを使った広告は有効であり、インスタグラムユーチューブスナップチャットなどは、広告媒体として非常に高い効果が得られるでしょう。

しかし、SNS上であふれている広告の中で、闇雲に広告を打っても彼らのハートをつかむことはできません。この年齢層の人々は、面白みに欠けた広告はスキップする一方、独創的でユーモアのある広告は積極的に見るという特徴をもっています。

そのため、広告自体のユニークさや美しさを追求し、ほかの広告と差別化する必要があります。フェイスブック離れが進んでいる世代なので、、フェイスブックよりもほかのSNSに注力して、自社の商品・サービスの魅力を発信しましょう。

また、広告と違ってスキップされにくいインフルエンサーマーケティングも効果的です。この世代の人々はSNSを使って発信することが多いため、インフルエンサーとユーザー生成コンテンツを使ったキャンペーンを組み合わせることで、大きな反響を呼ぶことも期待できます。ただ、ターゲット層によってどのインフルエンサーが影響力を持っているかは異なるため、インフルエンサーの選定が重要です。

出典:Visual Marketing Australia 「The Complete Guide To Generational Marketing」

 

 

まとめ

オーストラリア市場で効果的にプロモーションしていくためには、ターゲットとする年齢層を絞って、その世代に響くマーケティング施策を実施していくことが重要です。

サザンクロス・プロモーションズは、オーストラリア市場でのマスメディア広告、フェイスブック広告、インフルエンサーマーケティングなど、オーストラリアにおけるプロモーションのサポートをしております。オーストラリア市場でのプロモーション、広告について興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

この記事を書いた人:山口 宙大
北海道出身。一橋大学商学部にてマーケティングを専攻中の大学3年生、現在はニューサウスウェールズ大学に交換留学中。趣味はサイクリングとアウトドアグッズ収集。

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