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オーストラリア人の現地での消費動向

By SCP編集部 in オーストラリア基本情報

訪日オーストラリア人向けの商品やサービスの販売促進を考える際に、オーストラリア人の経済や金銭的な状況は気になります。観光庁が発表した「2018年の4-6月期の訪日外国人消費動向調査」では、オーストラリア人の1人あたりの旅行支出額は、前年比+24.4%の264,327円であり、国籍・地域別で比較しても最も高いことが分かりました。
参照元:http://www.mlit.go.jp/common/001245491.pdf

日本人の消費動向の場合でも、自国の景気の変動や雇用環境などが、旅行先の消費に影響を与えていることから、訪日観光時の消費動向以外にもオーストラリア現地での消費動向や経済状況を併せて把握することができれば、より詳細な動向を把握することができます。

オーストラリア人の訪日観光においても、オーストラリア人の旅行者数や1人当たりの支出額は、オーストラリア現地での消費者行動や景気変動と関係していると言えます。

そこで、今回はオーストラリア人の消費動向を検討するために、オーストラリア人の所得や支出、オーストラリア現地の経済的な状況とや物価の変動などを、日本の現状と比較しながらご紹介します。

※本記事では$1=90円換算にて算出しています。

 

オーストラリア人の消費動向 - 収入と支出 –

オーストラリア人の平均所得

まずは、オーストラリア人の収入について、日本と比較して見ていきます。オーストラリアの消費者の購買意欲と実際の行動には、価値観や生活習慣のほかに、収入や支出などの経済的な面なども関わってきます。

オーストラリアと日本とでは最低賃金などの労働規定の違いも相まって収入額が異なります。

ここでは今までの所得の推移と各年代に分けた平均収入を紹介していきます。

所得の推移

オーストラリアの給料は週単位で算出されるため、オーストラリア統計局も週ごとに統計が出されます。週給は日本人には馴染みがありませんが、ここでは推移をみる目的で使用します。平均週間所得は2018年第2四半期の時点で108,666円であり、2017年第4四半期の107,235円から増加しています。1969年から2018年までの平均週間所得は46,566円で、その2018年第2四半期が最高額となりました。オーストラリア人の所得が年々確実に増加していることが見て取れます。
参照元:https://tradingeconomics.com/australia/wages

年代別

オーストラリア統計局の2017年時点で調査では、オーストラリア人全体での平均年収は5,480,280円でした。また年代ごとの平均月収は、下記のようになりました。世代別の施策を考える際に参考にしてください。

年代 平均月収
10代後半 166,500円
20代前半(21-24) 272,430円
20代後半(25-34) 429,660円
35歳から44歳 532,080円
45歳から54歳 533,520円
55歳から64歳 475,740円

参照元:https://www.dailymail.co.uk/femail/article-4385448/Australia-s-monthly-salary-according-age-revealed.html

日本の所得

日本では、2017年の厚生労働省の発表した国民生活基本調査によると、2016年の時点で全世帯での平均所得は4,216,000円と前年比+0.3%。その中で正規雇用の給与所得者の一人あたりの平均所得は4,869,000円で前年比+0.4%でした。

参照元:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/minkan/index.htm

オーストラリア人の平均支出

続いてオーストラリア現地での消費動向の生活習慣や購買行動について見てみます。

2016年の調査では、平均家計項目とその割合は下の図のようになりました。オーストラリアの消費動向として、酒が食費/飲料費の項目ではなく、独立してデータが算出されていることから、アルコールの消費量が国全体としても多いことが見て取れます。

(詳しくは「オーストラリアの国民性とは? 特徴と気質まとめ」https://www.scpromo.com.au/basicinformation/1263

項目 割合 月平均費用
家賃 19.6% 100,440円
食費/飲料 16.6% 85,320円
交通費 15.5% 74,520円
娯楽 12.1% 61,920円
雑費 6.8% 34,920円
医療費 5.8% 29,520円
家具など 4.1% 20,880円
通信費 3.3% 16,920円
家事 3.2% 16,200円
衣類・靴 3.1% 15,840円
教育費 3.1% 15,840円
光熱費 2.9% 14,760円
2.1% 11,520円
介護 2% 10,440円
タバコ 0.9% 4,680円

参照元:http://www.abc.net.au/news/2017-09-13/household-expenditure-survey-cost-of-living-burden/8939984
http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/mf/6530.0

日本人の消費品目と家計支出

2018年2月に法務省統計局が発表した2017年の家計調査報告(家計収支編)平均速報結果の概要によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均支出は313,057円でした。

先述のオーストラリア人の支出状況と比較すると、日本人の食費の割合はオーストラリア人より高いものの、平均支出額はオーストラリア人の方が消費しています。また娯楽に関しても、両国の割合はほぼ等しいですが、1ヶ月にかかる費用はオーストラリア人の方が30,000円ほど掛かっていることが分かります。

項目 割合 月平均費用
食費 24% 74,584円
その他の消費支出 20% 63,890円
交通・通信 16% 49,610円
教養娯楽 10% 30,527円
光熱・水道 7% 21,164円
教育 6% 19,080円
住居 6% 18,532円
被服及び履物 4% 13,184円
保険医療 4% 11,506円
家具・家事用品 4% 10,980円

参照元:http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gyyoyaku.pdf

オーストラリア人の貯蓄

家計金融資産

次にオーストラリア人の貯蓄性向についてです。日本人は世界の中でも預貯金の割合が高い方ですが、オーストラリアも見ていきましょう。

サンコープ銀行よると、オーストラリア人の平均月間貯金は38,430円でした。さらに2015年の調査では、1981年から1994年生まれの世代は他の世代と比べて最も貯蓄が高いことが分かりました。月々47,970円が平均であり、個人での収入の12.7%に当たります。また貯金している銀行利用者は32%が旅行や休日のために貯金しています。

参照元:https://www.aussie.com.au/blog/much-average-aussie-spend-compare/
https://www.suncorp.com.au/about-us/news/media/gen-y-best-savers.html

さらにINGの調べによると、3人に1人が休暇や新車などに無計画に多額の資金を払い、5人に1人は衝動買いをするとのことです。
http://moneymag.com.au/8-week-saver/

その他、経済協力開発機構(OECD)の2016年の調査では、家計金融資産の構成として、現預金の占める割合は22%でした。

参照元:https://data.oecd.org/hha/household-financial-assets.htm

オーストラリア人の消費 - 暮らしと物価の見通し –

ここではオーストラリアの消費動向に関わってくる、オーストラリアでの金融市況、物価の変動に目を向けていきます。

オーストラリア連邦統計局が6月に発表した第1四半期のGDPでは、商品輸出の影響から、前年比の伸び率が高水準となりましたが、家計での消費は伸び悩む状況であることが分かりました。
参照元:http://www.abc.net.au/news/2018-06-06/gdp-economic-growth-data-abs/9840308

ここでは各国や地域のインフレ動向を示す経済指標であるGDPの推移と消費者物価指数(CPI)の推移を取り上げます。

国内総生産(GDP)の推移

GDPは、ある期間にその国が、どれだけ価値のある商品やサービスを生み出したかを金額に置き換えて算出されたものです。国際連合が定めた基準に沿って各国で算出されているため、国の経済規模や成長具合、景気の良し悪しを比較して見ることができます。

オーストラリア統計局が発表した実質GDP(物価変動の影響を除いたもの)は、前年比+3.1%、第1四半期GDPの前期比伸び率は1.0%でした。また景気後退がない期間は1992年以降27年目であり、景気拡大の世界最長記録を更新しています。

参照元:https://jp.reuters.com/article/gdp-australia-6-idJPKCN1J2079
https://tradingeconomics.com/australia/gdp-at-constant-prices-imf-data.html

消費者物価指数(CPI)の推移

消費者物価指数(Consumer Price Index/以下CPI)は、消費者が実際に購入する際の商品やサービスの物価の変動を表し、国民の生活基準を表します。物価は景気と密接な関係にあるため、物価の変動を把握することは、消費動向、景気やインフレ率を測る上での重要な過程と言えるでしょう。

CPIは物価の基準とする年を決め、その基準年と比較する期間の価格を平均して算出します。ある年(基準年)に実際にかかった商品の金額と、翌年(比較時の年)の商品とでは、個数などの内容は同じでも値段の増減があるため、費用が前年と同じではなくなります。基準年の費用を100と数値化して、比較する年の価格を比較計算したのがCPIの数値となります。

オーストラリアでは、オーストラリア連邦調査局(ABS)が四半期ごとにCIPを公表します。2017年12月から毎年の家計支出調査からCPIの基準年の数値を作成し、設定する方法になりました。
参照元:http://www.abs.gov.au/websitedbs/D3310114.nsf/home/Consumer+Price+Index+FAQs#Anchor26
http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/mf/6461.0

オーストラリアのCPIとして、2018年第2四半期は、前四半期の112.60 から113へ増加。1950年から2018年までの平均CPIは44.45となっており、今四半期は最高記録となっています。また2018年7月に第2四半期のCPIを公表し、前四半期では+0.4%、前年比+2.1と上昇しています。特にこの四半期の間で特に上昇の傾向にあったのが、光熱費でした。
参照元:https://tradingeconomics.com/australia/consumer-price-index-cpi
http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/mf/6401.0
http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/Previousproducts/6401.0Main%20Features3Mar%202018?opendocument&tabname=Summary&prodno=6401.0&issue=Mar%202018&num=&view

 

 

 

オーストラリアの消費動向 - 旅行支出 –

オーストラリア人の旅行時の消費動向として、オーストラリア国内旅行と海外旅行とでは、旅行者数、滞在期間、消費額などが異なります。ここではオーストラリア人の旅行の消費動向をご紹介するとともに、日本人の国内旅行との違いも踏まえてお伝えします。

オーストラリア人の国内旅行

2016年から2017年にかけてのオーストラリアの国内日帰り旅行の総数は、2015年から2016年に比べて0.3%下がりました。旅行の主な目的として、76%が観光とVFR(友人親族訪問)がありますが、観光については1.5%、VFRは0.3%とそれぞれ減少し、観光目的での旅行は49%となりました。観光客の消費額は2.9%伸び、1兆7730億円でした。

また、泊りの国内旅行では、1人につき平均4.7回の旅行をしている算出となりました。5兆6340億円が消費され、前年比+6.6%。オーストラリアでは海外旅行への傾向が強い中、この消費額の増加は過去10年で最大であったと言えます。旅行の目的では、40%が観光でVFRも6.5%と増加が顕著に現れたことで、観光客との差を縮めています。その中で2日以内の旅行が63%を占め、87%はアクティビティに参加したと報告されています。

参照元:https://www.tra.gov.au/tra/soi/2017/TRA_State%20of%20the%20Industry%202017.pdf

オーストラリア人の海外旅行

2017年では、オーストラリア人は56%が観光目的の渡航、他は出張や親戚への訪問など他の目的での旅行でした。海外旅行は過去10年から2倍近く伸び、2008年の旅行者である5,143,000人から増加しています。平均宿泊日数は19.2泊であり、消費額は5兆130億円でした。2017年のオーストラリア人の海外の訪問先として、ニュージーランドが1,266,000人でトップ。日本は332,000人であり、前年から14.3%の上昇でした。
参照元:https://www.budgetdirect.com.au/travel-insurance/research/tourism-statistics.html

日本人の国内旅行とオーストラリア人の国内外旅行比較

ここでは実際に日本人の国内旅行とオーストラリア人の国内外旅行について比較していきます。

もともとオーストラリアは日本よりも人口が少ないため、旅行者の総数には開きがあります。しかしオーストラリア人の海外旅行時の宿泊日数や費用と、日本人の国内旅行とでは大きく異なります。

日本の国内旅行は前年度より減少しているのに対し、オーストラリアの海外旅行数は伸び続けているため、今後の訪日旅行のターゲットとして期待することができるでしょう。

日本人 オーストラリア人
日本国内旅行 日本国外旅行 オーストラリア国内旅行 オーストラリア国外旅行
人数 1億4,752万
宿泊 7,049万人
(前年比-11.6%)
日帰り 7,703万人
(前年比-14.9%)
1,789万人
(前年比+4.6%)
9,370万人 9,118,000人
5,115,000人休暇目的
宿泊日数 3.6日  N/A 3.2日 19.2日
費用 1人あたり
泊まり 55,056円
日帰り 16,234円
1人あたり
241,900円
1人あたり
60,120円
日帰り 9,450円
1人あたり
427,500円

参照元:http://www.mlit.go.jp/common/001249827.pdf
https://thenewdaily.com.au/life/travel/2017/10/03/holiday-overspending-australians/
https://www.budgetdirect.com.au/travel-insurance/research/tourism-statistics.html
https://www.tra.gov.au/tra/soi/2017/TRA_State%20of%20the%20Industry%202017.pdf
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/180919_monthly.pdf
https://www.travelvoice.jp/20171221-102781

さらにオーストラリアのコモンウェルス銀行の調査によると、海外旅行者の3分の1はクレジットカードを超過利用しているとのことです。24.8%のオーストラリア人が予算より10%以内である平均21,600円の超過支出、また8.5%の旅行者が予算より10%以上の平均42,750円の予算を超えて旅行に費やしています。
参照元:https://thenewdaily.com.au/life/travel/2017/10/03/holiday-overspending-australians/

 

オーストラリアの消費動向から見る今後の展望

今回ご紹介した、オーストラリア人のオーストラリアでの消費動向や景気動向を把握することで、日本人とオーストラリア人の旅行支出に対する予算感と実際に投資する費用に大幅な違いがあることがわかります。

先述の通り、オーストラリアは27年間景気の後退がなく、実収入も多い上に、さらに年々増え続けています。サービス支出についても日本人より多くの費用を伴うため、訪日観光のターゲットとして最適であると見て取れます。

2018年7月のオーストラリア旅行業協会(AFTA)の発表によると、オーストラリア人の海外旅行先において、日本は8位にあたり、昨年から13.4%増えました。潜在的な訪日観光客を、獲得することが、今後の訪日事業にも繋がるのではないでしょうか。
参照元:http://www.afta.com.au/uploads/582/180629_june_afta-travel-trends-report_final.pdf

オーストラリア人の潜在的なニーズに対するプロモーションとしてのご相談や必要な案内に関しましては、お問い合わせを受けつけておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人:宮川美潮
東京都出身。情報通信系商社にて営業職を務めていた際に、マーケティングに興味を抱いたこと、また大学時代に学んでいた中国語よりも英語の必要性を強く感じ来豪。現在シドニーのTAFE(職業訓練校)にてマーケティングコースを受講中。

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オーストラリア国内にて様々なマーケティング分野で仕事経験を積み上げてきた私たちが、日豪の文化・市場の特性を理解した現地に密着しているからできる効果的なプロモーションを提供いたします。
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