過去最大のスケールで日豪を繋ぐ訪日観光セミナー「Japan Roadshow 2019」開催

2019.05.28 By SCP編集部 in イベントレポート

オーストラリアから日本を訪れる観光客は年々増加しており、その一人あたりの消費額がずば抜けて大きいということもオーストラリア人観光客の特徴だと言われています。

そして2019年にはその数がいよいよ60万人を超えることが予想され、それに向けた様々な施策が日豪間で展開されています。5月21日（火）にはオーストラリアのシドニーにおいて日本政府観光局（JNTO＝Japan National Tourism Organization）主催の訪日観光セミナー「Japan Roadshow 2019（ジャパン・ロード・ショウ2019）」が開催されました。

セミナー後にセッティングされた商談会には日本の自治体や旅行関連企業56団体が出展し、シドニーの旅行関係者250人以上が会場を埋め尽くすなど、熱気にあふれた訪日イベントとなりました。

オーストラリアにおける「日本ブーム」

（JNTOシドニー事務所の若林香名所長）

JNTOシドニー事務所の若林香名所長によると、オーストラリアから日本への旅行者は今年に入ってからも増加しており、2019年の5月までの数字を見ても「日本ブーム」がまだまだ続いていることが伺えます。そして、オーストラリア人観光客一人あたりの消費額は、年間・四半期ベースの両方でどの国よりも多く、そのような熱が今回の「Japan Roadshow 2019」の商談会の盛り上がりにも表れていると思います。

出展者が捉えているオーストラリアにおける「日本ニーズ」

出展者数は、過去最大の56団体。このJapan Roadshow 2019は、21日（火）シドニーだけではなく、前日の20日（月）にメルボルン、23日（木）にはニュージーランドのオークランドでも開催されました。シドニーの会場にて出展者に話しをうかがいました。

北海道観光振興機構

オーストラリアからの年間観光客50万人のうち冬のニセコには5万から6万人ものお客様に来ていただいており、非常にありがたく思っています。その一方で、北海道にはスキー以外にも、食や自然、温泉があり、アピールしたいポイントはスキーだけではなく、今後は夏のニーズ開発なども視野に入れています。

京都着物レンタル夢館

着物のレンタルは国内外を問わず、海外に至っては修学旅行の生徒さんが団体でいらっしゃるほど広く認知をいただいています。それだけではなく、京都が誇る日本家屋での写真撮影やお茶の体験会などを用意しており、本物志向のお客様に深くご好評いただいています。

岐阜県

岐阜の郡上には、スキー場がありオーストラリアからのお客様はまだまだ少ないのが現状です。まだまだこれからといった感触です。その一方で、地元の皆様の協力もあり、岐阜県が誇る伝統工芸を体験できる教室やイベントには、多くのお客様にご来場をいただくなど、他では経験できないユニークな試みが好評をいただいております。

いずれのコメントを見てみても、独自の地域性やその土地が育んできた文化を活かしていることが功を奏しているようです。似ているようで似つかない日本の各県の特徴や独自性を存分に活かすことが大事になってくるのかもしれません。

オーストラリア人から見た日本の魅力とは

この「Japan Roadshow 2019」の商談会の前に行われたセミナーでは、エアリアルスキー・オーストラリア元代表のジャッキー・クーパー氏がゲストスピーカーとして登壇し、日本での体験を披露しました。

彼女曰く、遠征先として日本に行った際に、日本人の働き方に感銘を受けたそうです。

日本での大会中に怪我を悪化させメダルのかかった決勝を棒に振りそうになったとき、日本が誇る医療のおかげで試合の50分前に治療を終え、金メダルを獲得することができたエピソードを紹介しながら、「本物志向（Authentic ）で、信頼でき、ハードワークを厭わず、仕事熱心（Dedicated）で、正直である」日本人の国民性の基づいた日本の魅力について熱く語り会場を唸らせていました。