NEWS

オーストラリアとニュージーランド、訪日データ比較

By SCP編集部 in ツーリズムデータ |

数年前までは、中国、台湾、韓国など近隣のアジア圏が日本のインバウンド市場の大半を占めていましたが、近年では日本のインバウンドのターゲット国は変わって来ています。

日本政府観光局(JNTO)によると、オセアニア圏からの旅行者は近年連続で増加しており、オーストラリア人、ニュージーランド人共に日本旅行の人気が上昇しています。また、2015年から始まった日本への直行便や格安航空便の就航などにより、今後もオセアニア州からの訪日旅行者がさらに増えることが期待されます。

日本のユニークさに関心が高いオーストラリア人とニュージーランド人は、日本のインバウンド市場にとって重要なターゲットとなってきています。

今回は、そんなオーストラリア人とニュージーランド人の訪日旅行データを比較してみました。

 

訪日観光客数推移

初めに、訪日オーストラリア人と訪日ニュージーランド人のそれぞれの観光客数の推移を見ていきます。

2012年〜2017年の推移

(出典:https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/tourists_2017df.pdf

 

オーストラリア人とニュージーランド人のどちらも年間の訪日観光客数は増加しており、2017年にはオーストラリア人は446,232人ニュージーランド人は53,796人*と、共に過去最高を記録しました。訪日旅行者数の増加には、近年始まったオセアニア州からの日本への格安航空便の導入や直行便増便・就航がベースとなっています。

※上記の数値は、観光目的のみをまとめたものですが「親族友人訪問数」も含まれます。
※オーストラリア人とニュージーランド人の数値は出典元資料の観光客数です。総数ではありません。

月別

では、オセアニア州からの観光客は何月に最も多く訪れるのでしょうか。2017年のデータを基に訪日観光客数の月別推移を比較しました。

(出典:https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf

 

訪日オーストラリア人は4月、9月、12−1月のスクールホリデー期間に訪れる人が多く、5月から8月の日本の夏の期間に訪れる人は減少します。

オーストラリア人にはスキーなどのウィンターアクティビティ好きが多いように、日本の冬や4月の桜を見に来る人が多いのですが、夏の季節はまだまだプロモーション次第で大きく成長することが期待出来ます。

それに比べて、訪日ニュージーランド人は年間を通し一定的な訪問数ではありますが、8月の訪問率が減少します。

これからは、今や定番であるお花見やスキー以外に、日本の夏の魅力を発信していくことが重要となるでしょう。

平均滞在日数の推移

次に、平均滞在日数をみていきます。

(出典:日本政府観光局(JNTO)よりhttps://statistics.jnto.go.jp/graph/#graph–average–length–of–stay

平均滞在日数を見てみると、日本との距離もあることから、オーストラリア人観光客、ニュージーランド人観光客共に平均で「9日間」の滞在が多いです。

全国籍総数と比べると平均的に4日ほどより長く滞在していることから、滞在時のインバウンド消費が多いことも期待され、インバウンドターゲットとして魅力的であることが分かります。

旅行スタイル

では、オーストラリア人とニュージーランド人観光客の旅行スタイルはどのようなものでしょうか。今回は、ジェットスターグループが発表した各国観光客の旅行先での食事に関する旅行スタイルの調査結果をもとにオーストラリア人とニュージーランド人の旅行スタイルを見てみます。

(出典:https://www.jetstar.com/_/media/files/japan-and-korea/japan/news/2018/20180926.pdf?la=ja-jp

調査結果によると、オーストラリア人、ニュージーランド人ともに旅行先では「評価が低いお店でも興味を持って試してみたい」と答えた人が最も多く、続いて「評判が良いお店に行く」、「地元の人が行くようなお店や屋台に行く」という結果でした。

オーストラリア人、ニュージーランド人共に「ショッピングモール」や「ファストフード」はそれぞれ5%以下と少ないことから、その地ならではのものを試してみたいという人が多いことがわかります。

また、二カ国とも旅行先でお店を選ぶ条件として、評価よりも自分が興味を持つお店地元の人に人気なお店を選ぶ傾向があることから、今後オセアニア州からの旅行者をターゲットにするならば、食事に関しての集客・誘致はプロモーション次第であると考えても良いでしょう。

地元メディアが知らせる日本旅行

地元メディアが知らせる日本旅行とはどのようなものなのでしょうか。

以下は、オーストラリアメディアとニュージーランドメディアで紹介された、2015年から2018年の最新の記事から見るローカル目線の訪日旅行をまとめたものです。

絶賛されているもの 日本旅行を勧める理由
体験するものがたくさんある 年中楽しめる
ニュージーランドメディア すべてがおいしい日本食 失敗しない日本食
美しい自然 安全
日本の雪のクオリティ 米国、イギリスよりも安い
オーストラリアメディア 日本の優れたホスピタリティ 時差ボケがない
伝統文化とポップカルチャーが一体となった都市 安全

*この表は、それぞれのメディアで絶賛されているもの、日本旅行を勧める理由をそれぞれ3つずつ挙げたものです。

それでは、具体的な内容をそれぞれ見ていきます。

ニュージーランドメディアが知らせる日本旅行とは?

ニュージーランドメディアは、初めて日本を訪れる人には、伝統的なことから最新のものまで楽しめる東京・京都・大阪のゴールデンルートを勧めており、この3都市だけでも見るもの、体験するものが本当にたくさんある、日本の食べ物で美味しくないものはないと絶賛しています。

他にも、日本の旅館には庭園、温泉スパ、畳敷き&布団ベッドのルーム、素晴らしい食事が付いてくる他の国では見られないホスピタリティの評価も高く、滞在した旅館やホテルの満足度の高さがうかがえます。

また、実際に日本に住んでいるニュージーランド人には、日本には交番が多くあり、夜道も女性一人で歩くことができる安全なところも言及されています。

今後は、日本を訪れる観光客にも、夜になっても楽しめるナイトアクティビティを売りに出来るでしょう。

出典:https://www.stuff.co.nz/travel/destinations/asia/85321916/japan-travel-tips-for-beginners-things-you-need-to-know
https://www.stuff.co.nz/travel/kiwi-traveller/99683440/expat-tales-the-face-of-new-zealand-in-japan
http://www.traveller.com.au/japan-travel-tips-and-advice-20-things-that-will-shock-first-time-visitors-to-japan-gn691x
https://www.stuff.co.nz/travel/kiwi-traveller/99767087/top-travel-destinations-for-2018

 

オーストラリアメディアが知らせる日本旅行とは?

オーストラリアメディアでは、これまでオーストラリア人にとっては定番であった旅行先、バリに変わって日本が新しい定番ホリデー旅行地として名を馳せるようになったと報道されています。

既述したように、2015年から始まった日本への直行便の増便、そして日本政府がツーリズムに力を入れ始めたことにより、日本旅行をする人の割合が70%も増えました。日本旅行を押す理由としては、アメリカやイギリスに行くよりも低価格で、時差ボケがないことが挙げられていました。

オーストラリア人はウィンターアクティビティ好きが多いと言われていますが、オーストラリアメディアの日本旅行に関する記事で一番初めに紹介されていることはやはり日本でのスキーアクティビティで、日本の雪は世界一と絶賛されていました。

また、伝統文化と超現代的なものが組み合わさった点も日本を魅力的にするポイントで、世界と比べても優れた日本のホスピタリティはオーストラリア人からの高い評価を得ています。

 

出典:

https://www.news.com.au/travel/world-travel/asia/is-japan-the-new-bali-for-aussie-travellers/news-story/d8f493bcdde040e1c7c7e016b1a15ff2
https://www.flightcentre.com.au/world-travel/japan
http://www.traveller.com.au/readers-choice-destinations-of-the-decade-gy2n6b

 

まとめ

  • 訪日オーストラリア人、訪日ニュージーランド人共に、日本食、美しい景色、歴史や文化を年中楽しめるといった点、また、古い文化と新しい文化が混じ合った日本にしかないユニークさが人気を集めるもととなっています。
  • 訪日オーストラリア人、訪日ニュージーランド人ともに夏シーズンの訪問率が少なく今後は夏に楽しめるアクティビティのプロモーションをしていくことが目標とされます。
  • 日本の「安全」が高く評価されていることから、今後はナイトアクティビティなど日本ならでは夜間イベントのプロモーションを押して見るのはいかがでしょうか。日本の新たな動きに惹かれるジャパンファンの獲得が期待出来ます。

SNS

関連する記事

コメントを残す