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2020年3月訪日オーストラリア人数データまとめ

By SCP編集部 in ツーリズムデータ |

2020年3月の訪日外客数は19万4,000人(前年同月比93%減)と大きく落ち込み、新型コロナウイルス感染症が観光業界に与えた影響の深刻さを物語る数値となった。感染拡大防止のため各国が渡航制限やロックダウンを実施。日本でも入国制限や検疫を強化したことで、20市場すべてで前年同月を大幅に下回った。

日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計の集計・発表

https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/200415_monthly.pdf

訪日オーストラリア人客数は8,800人(前年同月比80.1%減)。オーストラリアで2月から施行されていた措置は、3月下旬からより一層厳しくなり、国外への渡航禁止に留まらず、各州の入州制限も設けられるようになった。また、3月30日には全国民に必要不可欠な場合以外の外出を禁止し、自宅待機を強く要請。例外を除き、屋内・屋外を含め家族以外との集会は2人(自分以外に1人)に制限するなど感染収束に向けての措置が次々と取られている。

このような行動規制や入国規制が功を奏し、3月下旬には一日で三桁を超えていた感染者数が現在は二桁台まで減少。しかし、モリソン首相は制限の緩和により再拡大する恐れがあることから、現在の措置を6カ月間継続することが妥当だとし、終息に向けて長期戦をも覚悟する構えだ。

新型コロナウイルス感染症拡大で甚大な影響を受け、先行きが不透明なインバウンド市場について、JNTOシドニー事務所田中陽子所長はこのように語る。

「オーストラリア国内では、比較的厳しく新型コロナウィルス感染症対策を実施しており、海外旅行の渡航制限解除に関しても慎重な姿勢をとっています。このことから他国と比較すると解除が遅くなる可能性は十分にあり、年末までこの渡航禁止措置が続くという見解も出ています。早くても、当初からモリソン首相が言っていた6ヶ月(2020年9月頃)以降がひとつの目安にはなるかと思いますが、いつ、解除されても対応できるような準備は必要だと思っています。また、たとえ措置が緩和されたとしても、海外旅行、国内旅行解禁が一斉に実施されるわけでなく、まず国内、その後に海外という段階措置が取られることが予想されます。そのような状況になった際、日本は他国と比較して、安全で清潔であること、またオリンピックというメガイベントを控え、注目が集まっていることはかなりのアドバンテージですので、機会を逃さずプロモーションをすることが大事だと思います。ただ海外旅行がふたたび活発化しても、お子さまがいる層は感染者がまた出ることを危惧して、少し出足が遅くなるかもしれません。

私たちが実施しているプロモーションに関しては、まだまだ先行きが見通せない現状のなか、「JAPANに行こう」というような積極的な呼びかけよりは、日本のことをより深く知っていただくような発信をSNS上で行っています。また、旅行業界関係者の方向けには、自宅待機されている時間を活用し、今後の商品造成や販売に役立ててもらえるようなエデュケーショナルなコンテンツをお届けしています。現在多くの方が自宅にいらっしゃるので、当然のことながらデジタルコンテンツに触れる時間が長くなっています。渡航解禁となったらぜひ行ってみたいと思わせるような印象的な画像やストーリー性のあるコンテンツなどの発信は大事だと思いますし、すでに現地エージェントとのネットワークをお持ちであれば、苦しい状況は同じですので、応援メッセージを送りつつ、情報交換を頻繁に行うなどより強固な関係を構築されると良いかと思います。観光関連業界は今回の影響を一番大きくかぶっているといっても過言ではないくらい苦しい時期ですが、明けない夜はありません。必ず観光客は戻ってきますので、反転の攻勢ができるよう、オールジャパンで取り組みたいと思っていますので、引き続き、よろしくお願いいたします」

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