世界各国でオミクロン株の感染が相次ぐ中、特にアメリカでは1日当たりの新規感染者数が約100万人に達し、深刻的な危機に見舞われている。オミクロン株はヨーロッパ諸国などでも猛威を振るい、日常生活を取り戻しつつあったイギリスでは、1月4日に1日当たりの新規感染者数が初めて20万人を超え、今後も感染者数の大幅な増加傾向が続くとみられ屋内や公共交通機関でのマスク着用義務化などが再び施行されている。また、航空機のパイロットや乗務員なども隔離を余儀なくされるケースが増え、12月24日から26日にかけて、世界では約7,500便以上の航空便の欠航や運行の遅れが発生した。オーストラリアでも、国内の主要2州であるニュースサウスウェールズ州とビクトリア州を中心に、感染者数が急増。ただ、オーストラリア連邦政府はウィズコロナ政策を貫く姿勢を崩さず、ロックダウンなど経済活動に打撃を与える規制の再導入はしないとの見方を示している。
オーストラリアのコロナ現況
ワクチン接種拡大によって、感染状況は落ち着きを見せていたが、オミクロン株の市中感染が確認された12月初旬を境に、コロナの新規感染者数は連日過去最多を更新している。オーストラリア最大の州・ニュースサウスウェールズ州では感染者数の急激な増加が顕著に現れており、入院患者が1,000人を超えるなど医療の逼迫を招いている。アメリカやヨーロッパを中心に規制強化などに逆戻りする動きが見られる中、オーストラリア連邦政府は社会経済活動を維持する姿勢を貫いており、ロックダウンなど厳格な措置の再導入に否定的な考えを示している。モリソン首相がマスク着用や社会的距離の確保などの義務化に疑問を呈する中、オーストラリアでは州ごとに独自のコロナ対策を実施しているため、州によっては屋内でのマスク着用義務を再び課すなど、オーストラリア国内のコロナ対策は、足並みが揃わない状態が続いている。
オーストラリアの国境について
オーストラリアでは、国境封鎖など世界的に厳格なコロナ関連規制を敷いていたが、「コロナとの共生」を目指す戦略に転換したことを機に、段階的に規制緩和が実施されていた。11月21日にはシンガポールと相互往来が再開され、一部の州ではワクチン接種などを条件に、12月15日から日本人の入国も受け入れている。長年、封鎖されていた国境は一部開放されたが、国内ではコロナの新規感染者数が鰻登りに増え続けており、クリスマスや年末年始にかけて、旅行や規制など長距離の移動や人の交流が活発化したことが、さらなる感染拡大に起因するのではないかとの懸念が高まっている。
2021年11月訪日オーストラリア人数
オーストラリアは、依然として入国の際の日本政府による14日間の隔離措置、PCR検査受験そして査証免除措置適用停止の対象となっている。一方オーストラリア政府は、ワクチン接種完了を条件に、十分注意を払った上での渡航を許可している。しかし、日本への直行便は引き続き大幅な運休・減便となっているため、2021年11月の訪日オーストラリア人数は200人に留まった(対2019年同月比99.6%減)。
JNTOシドニー事務所長のコメント
11月からオーストラリア人の海外渡航が認められたことから、例年並みではないものの、クリスマスにイギリス、インドや入国後の隔離がない国への渡航を予定されている方もいらっしゃいました。しかし、クリスマス休暇直前にオミクロン株の感染が急拡大したことから、旅行の中止や延期を余儀なくされた方も多く見受けられます。
当所では、12月17日にシドニー中心部で開催された日本の文化・伝統芸能・観光等をご紹介するJapan Expo、翌日の18日にシドニー近郊で実施されたMatsuri Festival in Chatswoodの2つのイベントに出展しました。
訪日旅行ができない現状でも、今後の旅行計画の参考にするべく、多くの方がJNTOブースに立ち寄っていただきました。
ブース来訪者100名に実施したアンケート結果でも、「今後、隔離措置さえ撤廃されれば、PCR検査などの規制が残っていても、訪日したい」とお答えいただいた方が半数以上にものぼり、訪日意欲の高さを感じることができました。
日本では、「第六波」への懸念が高まっているかと思いますが、お気をつけてお過ごしください。
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