By SCP編集部 in オーストラリアでのプロモーション, ツーリズムデータ
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2025年の訪日外国人旅行者数は年間約4,200万人と過去最高を記録しました。大阪・関西万博の開催をはじめとした地方誘客の進展が大きく貢献したこともあり、日本のインバウンド史上記録的な年となりました。そして、日本が世界的な観光目的地として定着する中、インバウンド戦略は「数の拡大」から「質の向上」へと明確な転換期を迎えています。
このような潮流において、注目すべき市場のひとつがオーストラリアです。2025年、同国からの訪日客数は初めて年間100万人を突破しました。アジア圏外ではアメリカに次ぐ規模であり、滞在日数や消費傾向の面でも安定性の高い市場と評価されています。
● 2025年 国別の訪日外国人ランキング
| 国名 | 訪日外客数(人) | |
|---|---|---|
| 1 | 韓国 | 9,459,600 |
| 2 | 中国 | 9,096,300 |
| 3 | 台湾 | 6,763,400 |
| 4 | アメリカ | 3,306,800 |
| 5 | 香港 | 2,517,300 |
| 6 | タイ | 1,233,100 |
| 7 | オーストラリア | 1,058,300 |
現在、政府が2030年までの目標として取りまとめている観光立国推進基本計画は、インバウンドの受入れと住民生活の質の確保との両立を目指す「持続可能な観光」に加え、「消費額の拡大」や「地方誘客・長期滞在の促進」を軸とした、高付加価値な観光立国の実現に向けた指針が示される見通しです。
オーストラリア市場は、これらの取り組みに対して極めて親和性が高いのが特徴です。
2025年のデータにおいて、オーストラリアは1人当たりの旅行支出額で約39万円を記録し、世界トップクラスの消費力を示しました。また、1ヶ月以上の長期休暇を取得する文化が根付いており、スノースポーツを含めたアクティビティや文化体験を目的とする地方訪問への関心も高い国民性から、都市部以外に引き込み宿泊数を伸ばす上で欠かせない存在といえます。
オーストラリア国内では日本文化の浸透や旅行プロモーションを目的とした日系イベントが定期的に開催されています。日本企業や自治体が現地の潜在顧客へ直接アプローチできる機会は、実は豊富に整備されているのです。
さらに2026年は、1976年締結の「日豪友好協力基本条約」が50周年を迎えます。両国政府は、経済や文化的交流のさらなる深化を打ち出しており、オーストラリア国内では関連事業や記念イベントの展開が見込まれています。
2026年現在の最新動向を踏まえ、オーストラリアでの日系イベントに参加する意義や、過去の事例、そして今後開催予定の主要なイベントについて解説します。貴社の商品・サービスを、高い親和性と消費力を併せ持つオーストラリア市場へ展開するための戦略的な資料として、ぜひご活用ください。
オーストラリアで日系イベントへ参加する意義
オーストラリアでは年間を通じて多様なイベントが開催されており、日本文化や観光、食、日本製品に対する関心は着実に高まっています。こうした背景を踏まえると、現地で開催される日系イベントは訪日観光の促進や、商品・サービスの海外展開における「有力なタッチポイント」のひとつと位置づけられます。
とりわけ、日本に関心を持つ層が集まる環境下で直接訴求できる点は大きなアドバンテージです。一方で、海外市場でのプロモーションにはコストや体制整備といった実務上の課題も伴います。
では、事業戦略の観点から期待される効果と検討すべきポイントを整理してみましょう。
オーストラリア国内の日系イベントに参加するメリットとデメリット
■メリット:期待される効果
1. ターゲット層への直接アプローチ
日系イベントの来場者は、日本文化や日本旅行への関心が高い層が中心です。自社商品・サービス、あるいは地域観光資源を、関心度の高い消費者に直接届けられるのは大きな強みです。特に次シーズン以降の訪日旅行を検討している層に対しては、具体的な情報提供が意思決定を後押しする可能性があります。現地で先行的に接点を持てることは、市場獲得の初動として有利な足がかりになるのではないでしょうか。
2.オーストラリア人の日本に対する関心、嗜好、トレンド、国民性や気質などの情報把握による市場理解
現地消費者との対話を通じて得られる情報は、統計データやオンライン調査では把握しきれないリアルな声です。会話を通して、日本に対する具体的な期待や消費の傾向、関心のある地域など、新たな気づきがあるかも知れません。貴重なデータとして自社に持ち帰り、商品設計や価格戦略、プロモーションの再設計などに有効活用できますし、中長期的な市場戦略構築の材料としての価値も期待できます。
3.商品やサービス、日本国内観光地の認知拡大とブランドポジショニング
特定の市場に興味がある消費者・ターゲット層が集まる場でのアプローチは、効率的な認知拡大につながります。特に、まだ市場浸透度の低い地域ブランドや新規サービスにとっては、立ち位置を確立する良い機会となるはずです。継続的に参加することで、ブランドの信頼性や存在感を段階的に高めていく戦略も考えられるでしょう。
4.新規事業や事業拡大のための業界ネットワークの構築
オーストラリア国内での旅行関連や日系イベントには、数多くの来場者が見込まれるため、多数の企業が出店します。イベントに参加することで、消費者に向けてのプロモーションだけではなく、同じ業界の外資系企業や日系企業とネットワーク構築にも繋がります。
■デメリット:検討すべき課題
1.コストや物理的距離への対応
オーストラリア国内で開催される日系イベントに参加するとなると、渡航費、滞在費、出展費用、展示物の輸送費などの費用がかかることは頭に入れておかなければなりません。航空券を例に挙げると、東京発〜シドニー着の直行便は往復で1人約20〜30万円ほどかかります(※シーズンと航空会社により航空券の値段は異なります)。
また、機材やブローシャなども事前に郵送しておく必要があります。
2.言語・コミュニケーション体制の整備
オーストラリアは多民族国家ですが、現地でのコミュニケーションは英語が中心となります。商談や説明の質が成果に直結するため、対応体制の整備は不可欠です。さらには、オーストラリア人の英語には独自の言語や発音があります。ビジネスの場でのコミュニケーションに不安な方は、現地事情に精通した通訳者やコーディネーターにオーストラリア人との橋渡しをしてもらうことをおすすめします。
オーストラリア国内の日系イベント参加方法
オーストラリア国内での日系イベント出展に関して、サザンクロス・プロモーションズでは、出展準備からブース運営までトータルでサポートいたします。また、オーストラリアを拠点に長年働いてきた強みと実績を活かし、現地に密着しているからこそできる各日系企業に合わせたイベントの情報発信などのご提案をしてまいります。
オーストラリア国内の日系イベント事例
オーストラリア最大の訪日セミナー:Japan Roadshow
日本政府観光局(JNTO)が主催する訪日観光セミナー・商談会「Japan Roadshow」。BtoBの訪日プロモーションが可能で、オーストラリアの旅行関連者との新たなビジネス関係の構築の機会になります。
直近では2026年2月にシドニーとブリスベンで開催されました。日本からは旅行会社やDMC、宿泊施設、地方自治体、DMO、運輸機関など幅広い分野のインバウンド関係者(シドニー会場45社、ブリスベン会場43社)が参加し、現地のリテーラーやツアーオペレーターとの活発な意見交換が行われました。
【参考】
・2026年2月2日シドニー、4日ブリスベンで開催:Japan Roadshow2026レポート
・2025年8月25日シドニー、26日メルボルン、27日オークランド(ニュージーランド)で開催:Japan Roadshow 2025レポート
オーストラリアで毎年人気:Snow Travel Expo
「Snow Travel Expo」は、世界中からリゾート関連企業、航空会社、ツアーオペレーター、スキ ー・スノーボード用品・アクセサリー卸売業者など、旅行業界のあらゆる分野の代表者たちがスノートラベル関連プロモーションのために集うイベントです。2025年は5月18日にメルボルン、25日にシドニーで開催され、約13000人以上が来場し盛り上がりを見せました。
最大の利点は、日本への渡航意欲が高く、かつ長期滞在傾向にある「質の高いスノースポーツ愛好家」に直接アプローチできることにあります。ニセコや白馬といった主要リゾートをすでに経験しているリピーター層は、「まだ見ぬローカルな日本」を求める傾向が強まっています。地方ならではの食文化や歴史的資源、地域固有の体験の価値を現地の熱量を感じながら直接訴求できる本機会は、他地域との差別化を図る上で極めて有効ではないでしょうか。さらに、現地旅行エージェントやメディア関係者とのネットワーク構築を同時に進められることにも注目です。単発のプロモーションにとどまらず、中長期的な市場開拓を見据えた戦略的拠点としての価値が期待されます。
<2026年開催日>
5月17日(日)メルボルン
5月24日(日)シドニー
【参考】
・2025年5月25日シドニー開催のイベントレポート:福島県知事が豪州訪問、同県の今を発信し輸出促進とインバウンド拡大を図る
・2022年5月15日メルボルン、22日にシドニーで開催:Snow Travel Expo2022
オーストラリア最大級の日本ポップカルチャーの祭典:SMASH!
「SMASH!」は、2007年からシドニーで開催されているオーストラリア最大級の日本ポップカルチャーの祭典。2025年は7月12日、13日に開催されましたが、チケットは開催1週間前に完売し、金曜夜のプレイベントを含め延べ4万人以上が来場する熱狂的な週末となりました。来場者の多くは10代から20代の若年層であり、彼らにとって日本文化は単なる娯楽を超え、ライフスタイルの一部となっています。
日本企業がこのイベントに参加する意義は、将来のインバウンド消費を担うZ世代へ直接ブランドを浸透させられる点にあります。アニメへの関心は「聖地巡礼」としての地方旅行や、日本食、伝統工芸への興味に直結しており、地方自治体やメーカーにとってはニッチな魅力を発信して競合と差別化が可能な絶好の機会です。現地のファンやメディアと直接対話することで、中長期的な信頼関係と市場基盤を築けることこそが、SMASH!に出展する最大の戦略的価値といえます。
<2026年開催日>
7月11日(土)〜12日(日) シドニー
詳細:SMASH!
【参考】
・2019年のイベントレポート:日本のポップカルチャーが今年もシドニーに集結!!
・2018年のイベントレポート:「SMASH!(スマッシュ)2018」がシドニーのICCで開催!
オーストラリア最大の日系イベント:Matsuri Japan Festival
2006年、日本人とローカルコミュニティとの交流促進を目的として開始された「Matsuri Japan Festival」は、現在シドニーの夏の恒例行事として広く認知されています。例年、日本観光案内ブースをはじめ、フードブース、子ども向け日本文化体験など、多数の日系企業・団体が出展します。さらに、日本人アーティストによるライブや空手パフォーマンスなどのステージショーが会場全体を活気づけ、世代や国籍を問わず多くの来場者を魅了しています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となった年もありましたが、2025年は12月7日にWentworth Parkで開催され、朝から大変な賑わいを見せました。
本イベントは、オーストラリアの日本コミュニティおよび日系企業によって長年継続開催されており、現地における日系イベントの中でも最も実績のあるイベントです。日本芸能・パフォーマンス、飲食、体験型コンテンツ、地域観光資源などの認知拡大を目的とする日系企業・自治体にとって、オーストラリア市場でのプロモーション展開に適した機会といえるでしょう。
【参考】
2019年イベントリポート:オーストラリア最大の日系イベント「祭り」が今年も開催
毎年盛り上がりを更新!オーストラリアにおける日本酒の祭典: Australian Sake Festival
オーストラリアで今後開催が予定されている日系企業参加候補イベント
オーストラリア国内で開催予定の、日系企業向けのイベント候補をまとめました。
| イベント名 | 開催時期 | 開催都市 | ジャンル | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Perth Japan Festival | 3月14日 | パース | 食 文化 エンターテインメント |
| 2 | Japan Festival | 5月24日 | メルボルン | 食 文化 エンターテインメント |
| 3 | Snow Travel Expo 2026 | 5月17日 5月24日 |
シドニー メルボルン |
旅行 |
| 4 | Australian Sake Festival | 6月19 〜 21日 7月4 〜 5日 9月11 〜 13日 |
ブリスベン メルボルン シドニー |
食 文化 エンターテインメント |
| 5 | Cowra Sakura Matsuri (CHERRY BLOSSOM FESTIVAL) |
9月頃 | カウラ | 自然 文化 |
| 6 | Matsuri Japan Festival | 12月頃 | シドニー | 食 文化 エンターテインメント |
| 7 | AIME (Asia Pacific Incentive & Meetings Expo) |
2027年2月頃 | メルボルン | 旅行 |
まとめ
オーストラリア国内で開催されている日系関連イベントの中から、今後の事業展開において極めて有効と思われるものをいくつかピックアップしました。
本記事でご紹介したとおり、オーストラリアでは年間を通じて多様なイベントが開催されており、目的に応じて選定することで、現地の消費者や業界関係者へ直接アプローチすることが可能です。
近年、オーストラリアからの訪日旅行者数は着実に増加しています。加えて、滞在期間の長さや旅行中の消費額の高さを踏まえると、同市場は今後も重要なインバウンドターゲットのひとつといえるでしょう。現地での継続的な情報発信や関係構築は、将来的な誘客促進や販路拡大にもつながります。
オーストラリアの市場環境を理解し、現地に拠点と日本人スタッフを有する企業と連携することで、より実情に即したプロモーション展開が可能になります。
オーストラリアでのイベント活用をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。サザンクロス・プロモーションズでは、貴社・貴自治体の目的や商材に合わせた最適なイベントをご提案し、実施まで丁寧にサポートいたします。
ご関心のある方は、下記お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。朋
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