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効果的なオーストラリアのWebメディア

By SCP編集部 in オーストラリアでのプロモーション

訪日外国人観光客の増加に伴いインバウンド事業が盛んに取り組まれていますが、「長期滞在」「高額支出」といった旅行動向を示すオーストラリアは、訪日インバウンドプロモーションを行う上で無視できない市場として注目されています。そんなオーストラリア人向けプロモーションを考える上でまず検討したいのがウェブメディア。

近年の急速なIT化によりマーケティングにおいて必須となってきているウェブメディアは、世界中に情報を効果的に発信できるツールとしても、なくてはならない存在です

ウェブメディアとは、インターネットを通して情報を発信するもので、その役割や種類は多岐にわたります。

また、日本のウェブメディアとオーストラリアのウェブメディアでは、利用のされ方に大きな違いがあため、ここではオーストラリア市場に合ったアプローチが必要です。

ではオーストラリア市場での効果的なウェブメディアの活用方法とはどんなものなのでしょうか。

オーストラリアのウェブメディアの現状

世界で最も信頼できる統計データベースのひとつ、スタティスタ(Statista)によると、昨今のオーストラリアでは、全人口の9割近くがインターネットを利用しています。グラフからも分かるように今後もインターネット利用度は上向きを維持し、インターネットはオーストラリア人にとって欠かせないツールであり続けると予想されます。

オーストラリアのインターネット利用者

出典:Active internet users as percentage of the total population in Australia from 2015 to 2018

世界各国に支社を持つソーシャルメディア専門の広告会社ウィーアーソーシャル(We Are Social)によると、2019年のオーストラリア人の1日のインターネット平均利用時間は5時間4分、ソーシャルメディア平均利用時間が1時間31分とあり、1日の4分の1以上の時間をオンラインに費やしていることがわかります

出典::DIGITAL 2019: AUSTRALIA SOCIAL MEDIA USAGE IS GROWING

オーストラリアには、以下のようなウェブメディアが存在します。

  • 1次メディア・・・新聞社や放送局が配信しているもの(ニュースサイト)
  • 2次メディア・・・1次メディアの情報を解説、集約したもの(ポータルメディア)
  • オウンドメディア ・・・各企業が自社で所有するメディア(企業のホームページ、ブログ、SNSなど)
  • CGM(Consumer Generated Media)・・・誰でも記事を作成し、公開できるメディア(口コミサイト、SNS、ブログなど)

オーストラリアでよく使用されているウェブメディア

オーストラリアでよく利用されているウェブメディアは以下の通りです

ニュースサイト

出典:It’s official: Most Australians now visit news or newspaper websites

オーストラリアのマーケティングリサーチ会社であるロイ・モーガン・リサーチ(Roy Morgan Research)の発表によると、2017年4月から2018年3月にかけて最も閲覧者が多いニュースサイトはnews.com.au。4週間で平均585万9,000回閲覧されています。

続いて閲覧数が多かったのは、Sydney Morning Herald(SMH)で533万4,000回。その次はAustralian Broadcasting Corporation News(ABC News)の504万9,000回となり、上位3つはすべて500万回以上と高い数値を示しています。

オーストラリアの主要メディアが保有するニュースサイトについては、別の記事でも詳しく紹介しているのでご参照ください。

【海外PR戦略】オーストラリアの主要ニュースメディア -新聞編-

ソーシャルメディア

ウェブメディアの中でも昨今急速に成長しているソーシャルメディアにはさまざまな種類があり、各国で独自のサービスも存在します。日本とオーストラリアでは、主要なソーシャルメディアは似たようなものですが、利用のされ方には違いがあります。

オーストラリアのソーシャルメディアコンサルティング会社「ビビッドソーシャル(Vivid Social)」が運営するSocial Media News Blog Australiaのオーストラリアにおける主要ソーシャルメディアの統計(2019年6月)です。

Social Media Statistics Australia – March 2020

1. Facebook – 16,000,000 Monthly Active Australian Users (steady)
2. YouTube – 15,000,000 Unique Australian Visitors per month (UAVs)
3. Instagram – 9,000,000 Monthly Active Australian Users (FB/ Instagram data)
4. WhatsApp – 7,000,000 Active Australian Users
5. Snapchat – 6,400,000 Monthly Active Australian Users (Snapchat data)
6. WordPress .com – 5,800,000
7. LinkedIn – 5,500,000 Monthly Active Australian Users approx
8. Twitter – 5,300,000 Monthly Active Australian Users approx
9. Tumblr – 3,700,000
10. Tinder – 3,000,000 Australian users (my estimation)
11. WeChat – 2,900,000 Monthly Active Australian Users approx – (my estimation)
12. TripAdvisor – 2,800,000
13. Yelp – 1,500,000
14. Blogspot- 1,200,000
15. TikTok – 850,000

オーストラリアでは、フェイスブックユーチューブインスタグラムのSNS(Social Networking Service)が人気トップ3のようです

※動画共有サイトであるユーチューブは動画の評価やコメント、シェア、個人のホームページへの貼り付けが可能なためSNSとして扱われています

日本では利用率の低いフェイスブックですが、オーストラリアで最も利用されているソーシャルメディアです。また、オーストラリアのソーシャルメディアについてのレポート(Sensis Social Media Report 2018)によると、その利用者は94%と非常に多のオーストラリア人に利用されています。

その理由としては、家族、親戚、友人など自分に近い人の近況を知りたい、自分の近況をシェアしたいという思いが背景にあります。そのため、他のSNSに比べて親密度の高いつながりを中心とするフェイスブックに人気が集まり、利用率が高くなっていることが考えられます

また、ユーチューブインスタグラムといった映像や画像を主としたSNSは、日本でも非常に人気がありますが、オーストラリアでも同様です。今後さらなる成長が期待できるサービスとして注目が集まっています。

オーストラリアのSNSについて、より詳細をまとめた記事があるので参考にしてください。
オーストラリアのSNSとソーシャルメディアマーケティング

オーストラリア人のウェブメディアの使い方

オーストラリア人がウェブメディアを利用する主な目的は、情報収集です。その情報は多種多様であり、日々のニュースから些細な疑問に関するものまでさまざまです。

出典:Which of the following is your most frequently used mechanism to get news?

グラフ(統計データベーススタティスタの2016年の調べ)から、ウェブメディアは、使用頻度の高い情報元として大きな割合を占めていることがうかがえます。

その割合は、テレビのニュース視聴率36%を上回る38%(※)。ウェブメディアは、オーストラリア国内で大きなメディアとして成長していると言えます。

※内訳:デジタル版新聞14%、ソーシャルメディアサイト18%、新聞社以外のオンラインニュースサイト6%

出典:Leading sources used by consumers to find information about organics in Australia in 2018

さらに、オーストラリア人がオーガニックについての情報を見つける際に使用したメディアを見てみるとテレビや新聞、雑誌に比べウェブメディアの利用が高いことがわかります

特に、7割以上のオーストラリア人がグーグルを利用していることから、ウェブサイトはオーストラリア人にとって大きな情報源であることがわかります

このことから、ウェブメディアの利用度が高いと判断でき、オーストラリア人へ向けたプロモーションに有効なツールであると言えます

オーストラリアにおける効果的なウェブマーケティング方法

オウンドメディアマーケティング

オウンドメディアとは、「自社で運営し、情報を発信するメディア」のことです。

オーストラリア向けにオウンドメディアマーケティングを実施していく上で欠かせないのが、以下の2つです。

  • 英語での作成
  • 訪日オーストラリア観光客にとって有益な日本情報(自然、アクティビティ、イベント、グルメ)の掲載

特に訪日観光客にとって有益な情報は国民性に大きく左右されるため、その国に住む人々の趣味嗜好に合った情報を発信していくことが大切です。

オーストラリア人の場合は、訪日旅行の際、形に残る「モノ」よりも、体験などの「コト」に関する注目が高いことから、スノーリゾートの特集などが大きな人気を集めています。

また、沖縄県の観光情報を発信している情報サイト「VISIT OKINAWA JAPAN参考になるでしょう。これは、沖縄観光コンベンションビューローが運営しているオウンドメディアで、閲覧数は月平均10万回、沖縄のオーストラリア人観光客誘致に大きく貢献しています。

ペイドメディアマーケティング

ペイドメディアとは「企業が広告費などの費用を支払って掲載するメディア」のことです。ペイドメディアを活用することで、確実に潜在顧客に情報を届けることができます。

オーストラリアはフェイスブック利用率が高いことから、フェイスブックに広告を打ち出すことは効果的と言えます。しかし、広告の内容自体がオーストラリア人の興味を引く内容でなければ期待した効果を得ることは難しいため、オーストラリア人の目に留まるような広告スタイルであることが重要です。

また、オーストラリア人が日本の情報を得るために利用しているサイトで大きく取り上げてもらうことは、より直接的で大きな効果が期待できます。

また、オーストラリア人が日本の情報を得るために利用しているサイトで大きく取り上げてもらうことでも大きな効果が期待できます。例えば、オーストラリアのメディアである、AWOL※)などオーストラリアの若者向けに旅行情報を発信している情報サイト運営会社に記事を掲載することで多くのオーストラリア人に情報を効果的に発信することができます

※AWOL:毎月15万以上のサイト訪問数を誇り、オーストラリアのトラベラーに本当に必要な旅行情報のみを提供することで多くのユーザーを獲得しているオートラリアの旅行情報サイトです。

オーストラリアのインターネット広告についてはこちらもご参照ください。
オーストラリアで効果的にインターネット広告を運用する方法

アーンドメディアマーケティング

アーンドメディアとは、「消費者やユーザーが情報の起点となる ブログやSNSなどのメディア」のことです。

オーストラリアにおけるアーンドメディアマーケティングの方法は、オーストラリアで人気のインフルエンサーを起用することが鍵となります。彼らはブロガー、インスタグラマー、ユーチューバーがそれらに相当し、さまざまな情報を日々発信することで多数のオーストラリア人ユーザーのアテンションを集めています。

例えば、Michael Turtle氏は世界を旅するトラベルブロガーとして有名です。これまで61カ国を訪問し、850ものブログ記事を執筆しています。日本への渡航歴も多日本に対する理解が高いことで日本の旅行関係者やインバウンド事業者から注目されているインフルエンサーの人です。「私と共に世界を見て、パンフレットを超えた旅をしよう」(See the world with me and go beyond the brochure)をスローガンに、観光ガイドにはない、彼独自の視点からブログを執筆し多数のファンを獲得しています。ブログ訪問者数は月平均20万回と大きな発信力を持っています。

オーストラリアのインフルエンサーに関しては、こちらをご参照ください。
インフルエンサーマーケティングとは?

オーストラリアでウェブメディアが効果的に利用されている例

フェイスブック

オーストラリア・メルボルンに本社を構える大手旅行会社Intrepid Travelは、フェイスブックにおけるオウンドメディアマーケティングにより、多大な拡散力と旅行客を獲得することに成功しました。

現在、自社のフェイスブック登録者数約58万人、インスタグラムフォロワー22万人に向けて、日々情報を発信しています。

成功した理由は、美しい自然、風景の写真にオーストラリア人が世界を旅したくなるようなフレーズを添えることで、オーディエンスの旅行を駆り立てたことです。

Intrepid Travel Facebook

”Imagine this: You’re about to jump on a plane to a place you’ve never been before. Where are you heading?”
”これまで訪れたことのない場所を次々巡る想像をしてみてください。どこへ行きますか?”

オーストラリアで圧倒的利用者を持つフェイスブックで、体験重視といったオーストラリア人の性格を捉えた見事なマーケティングスタイルと言えます。

オーストラリア日系メディア『G’Day Japan!』

G’Day Japan!は、日本に興味があるオーストラリア人とオーストラリアに住む外国人へ向けた、日本の文化情報発信サイトです。日本の旅行、ライフスタイル、食、最新情報など、日本についてのあらゆる魅力的な内容を掲載しています。

G’Day Japan!は、

・ウェブサイトの年間ユーザー数3万人を誇る日本情報発信サイトです。

・ニュースレター会員数は約3万人。日本に興味を持つオーストラリア人会員に向けて発信しています。

・フェイスブックフォロワーは約1万9,000人す。

さらに詳しい情報はこちらからから

G’Day Japan!の基礎情報

以下にサザンクロス・プロモーションズがG’Day Japan!のリソースを活用した事例をご紹介します。

ロボットレストランの訪日観光プロモーション

東京都新宿区歌舞伎町にあるロボットレストランのプロモーションを手がけました。

  • G’Day Japan!ウェブサイト上での特集ページ掲載
  • G’Day Japan!ウェブサイト内でのバナー広告を実施

成果として、G’Day Japan!を介して、ロボットレストランのサイトを訪れたオーストラリア人は約5,000人と大きな反響を呼びました。

さらに詳しい情報はこちらから
ー東京都新宿区のエンターテイメント施設の集客プロモーションー

片品村の訪日観光プロモーション

こちらは、G’Day Japan!のリソースを最大限に活用した群馬県片品村のプロモーション事例です。

G’Day Japan!のサイトに情報を掲載するだけでなく、サイト内に置いて「懸賞キャンペーン」を実施しました。

G’Day Japan!のウェブサイト上で片品村への旅行が当たる懸賞を実施し、結果約5,500件の応募がありました。また、応募フォームに設けられた質問(性別、年齢、体験したいことなど)を通して、今後数年後のインバウンド事業における課題を見つけ出すこともできました。

さらに詳しい情報はこちらから
豪州市場向け片品村の認知度向上および販売促進を目的とした懸賞キャンペーンの実施

オーストラリアにおける効果的なウェブメディアまとめ

以上、オーストラリアのウェブメディアの種類やその活用方法について触れてきました。

  • インターネットユーザーがほぼ9割
  • ウェブメディアを情報収集として利用
  • ニュースサイトやフェイスブックの利用率の高さ
  • オーストラリア人インフルエンサーの起用
  • オーストラリア日系メディアーGday Japan!

自社の商品やサービスをオーストラリアへ売り出していく際、どのウェブメディアを利用するかの選択は大変重要です。

また、実際オーストラリア人の目に触れ、顧客として獲得するにはウェブメディアの選択だけでなく、掲載内容の細部に渡るまでオーストラリア人を熟知した構成が欠かせません。

オーストラリアにおける効果的なウェブメディア活用にご興味のある方は、ぜひオーストラリア市場に精通したサザンクロス・プロモーションズにお問い合わせください。

 

この記事を書いた人:浜田哲平
石川県出身。大学の交換留学としてシドニー工科大学に在籍中。専攻は国際金融論やファイナンステクノロジー。趣味はバスケとスノーボード。オーストラリアでは凝ったパスタ料理にはまっている。

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【海外PR戦略】オーストラリアのマスメディア -テレビ・ラジオ編-

 


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【海外PR戦略】オーストラリアの主要ニュースメディア -新聞編-

 

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